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●担当●

精文館書店中島新町店 久田かおり

2008年7月10日
『ボクナナ!』
岡田 慎一
文芸社
1,050円(税込)
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 中学3年の夏休みって、何をやってたかなぁ。
確かその夏でクラブ(ハンドボール)引退だから最後の試合への練習に明け暮れていたな。

 今でこそイケメンアスリートno.1の宮崎くんのおかげでメジャースポーツの仲間入りしたハンドボールだけど、ほんの数年前までは日本のそこここで
「学生時代何かスポーツやってた?」
「えっ、ま、その、球技 かな」
「バレー?バスケ?あぁテニス?」
「ううぅ、ん~まぁそんな感じ...かな」
的な会話が交わされていたはず。ハンドボールをやっていたと答えるのは切手を集めるのが趣味と言うのと同じくらいマイナー感溢れる宣言だったりする、いや した。
 宮崎くんありがとう。全国13万のハンドボーラーに代わってお礼を言います。

そしてクラブを引退した後は、目の前には「受験」の二文字が視力検査の一番上くらい大きく見えてくるのだ。
 今まではクラブを盾に勉強をサボっていたみんなが一斉に塾通いなど始めたりして。
 楽しいことは春までお預け。そんな空気が充満し始める夏休みの少し前、気持ちの切り替えが上手くできない不器用なヤツラは置いてきぼり感を味わいつつぶすぶすとくすぶっている。

 この小説の主人公たちはまさにその夏休み直前の中学3年ぶすぶす組。
 毎年恒例で行われていた地域の花火大会が財政難を理由に中止になってしまった。
 実行するためには2000万円が必要だと言う。どうする俺たち。諦めるのか。嫌だ、絶対に諦めない。必ず花火を上げてみせる。
 知恵も力も無いはずの中学3年生たちが、自分たちの力でお金を作り、地元の大人たちも巻き込んで花火大会を開催させていくさまはまさに正統派青春小説だ。
 1週間で2000万円作るなんて昔の中学生にはムリなこと。けど、イマドキの子どもらはすごいね。頭の使い方が違うよ。あぁいう発想は現代だからこそ、だろうな。かなり小ズルイ手も使ったりもするけど、そこはまぁ、気付かなかったことにしておきましょう。

 宗田理氏の「ぼくらの七日間戦争」をリスペクトして書かれたという本書。
 この夏は元祖とこれと2冊セットで読むことをお薦めする。忘れかけた青い熱さが蘇るだろう。暑苦しくて不眠になるかもしれないけれど。

 おまけ:身近な中3生に読ませたら
「おぉーーすっげーー!オレもやりてぇ、焼きそば作りてぇっっ」 とのこと...
 感動所はそこかいっっっ!!

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