3月25日(木)
この日記の連載を始める際に、いわゆる行動記は書かないようにしようと目標を立てた。その日あったことのなかから、心の引っかかった事柄をなるべく起承転結のあるものにして書こう、あるいはオチのある話をと努力してきた。それを僕は、営業マンのサービス精神と呼んでいるが、編集の金子は生粋のウソつきと非難する。
まあ、とにかくそういう目標を持って当日記を書いてきたのだが、さすがに半年以上にわたって精力を注いで取り組んできた『本屋大賞』が活況に入ると、起承転結やオチなんて考えられない状況になってしまった。でもずーっと休みにするのも嫌なので、たぶん読んでいる読者の方は、いつも以上にツマラナイ日記になっていると思うけれど、とりあえず来週いっぱいまではここ数日のような行動記で許してください。
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9時30分出社。
デスクワークを片づけ、すぐに営業に向かう予定だったのだが、「本屋大賞」がらみで数本の電話を受けているうちに、今すぐ片づけなきゃいけない仕事に取り囲まれてしまった。うーん、『増刊 本屋大賞2004』の営業期間が過去最短の3週間しかなく、営業を最優先しなければならないのに、これではどうにもならない。昨日やり残したリリースを作成し、メール5通。その間K書店本部、大阪のK書店と立て続けに本屋大賞フェアの打ち合わせの電話が入った。各書店さんかなりフェア展開してくれそうで、うれしい限り。
それらの処理を終えると11時30分とあまりに中途半端な時間。もうどうすることも出来ないので、そのままデスクワークを続け、昼飯はささ屋の「塩サバ弁当」。サバはコレステロールを下げるのに良いらしい。それを食べながら本屋大賞発表会の案内を手直し。顧問・目黒が降りてきて『ウエルカム・ホーム!』鷺沢萠 著(新潮社)を薦められる。
1時、神保町へ。1軒(1)を営業したところで、アポを取っている日書連へ。今さらながら書店を巻き込んでやっている『本屋大賞』のご報告。まあここまで本当に形になるかわからなかったので、仕方ないか。「とても良い企画だと思います」とお褒めいただき、ありがたい限り。
神保町4軒(3)。東京ランダムウォーク神保町店でYさんにしみじみ「良いお店ですよね、ずーっとここにいたくなっちゃいました」と話すと「じゃあ働く? 時給安いよ」と誘われる。思わず即決で頷きそうになるが、家族の顔が浮かび断念する。うう、家庭を持つと自由にならないことが多いなあ。
昨日敗退した池袋へ。本日は幸運に恵まれ3軒(3)。そのなかのとある書店さんの仕入れで「口が裂けてもいいたくないことなんですが、口を裂いて言います」と僕の一番嫌いな営業方法をお願いしてしまった。ああ、俺はついに悪魔に心を売ってしまったとかなり落ち込んだのだが、仕入れ担当のYさん、笑いながら快く引き受けてくれたのが救いだ。
高田馬場1軒(1)を終えて、会社に戻ったのが6時。注文の整理と処理。7時過ぎ、ほぼ出来上がった『増刊 本屋大賞2004』のゲラを金子が大机に持ってきて、浜本も交え、いろいろと確認。初めての製作であり、かなり急ピッチな編集作業だったため、不安いっぱい。しかし書店員さんの熱い気持ちは伝わるのではないかと話し合う。
その後、今度は松村が5月号のゲラなどを持って大机にやってきたので、唐突に僕が考えている来年の連載企画などをぶつける。本日挙げた企画は珍しく受け入れられたのだが、「でも連載を始めるってことはどれかを終わらせなきゃならないんですよ」と松村。「いいじゃんページ増やせば」と言ったところで社内に何かが切れる音が鳴り響く。
あわてて帰宅の準備。8時30分。
かつてツライときは『本の雑誌風雲録』目黒考二著(本の雑誌社・絶版)を読み直していたのだが、最近は『書店風雲録』田口久美子著を読み直すことにしている。車内にて、拾い読み。