12月13日(火)

 銀座のK書店さんでA出版社のNさんとバッタリ。

 Nさん元書店員さんでいろいろとお世話になっていたのだが、あるときから姿が見えなくなりどうしたんだろう?と思っていたら、現在の出版社に転職されていた。Nさんも僕と一緒でひとり営業らしく、しかも営業初体験だから当たって砕けろ(ホントに砕けるんだこれが…)でこの一年頑張ってきたそうで、いやはや大変ですよね、なんて立ち話。

 そのNさんのカバンがやけに脹らんでいるので何だろうと思ったら、なんと営業したい自社本を持ち運んでいるとか。しかも専門書の版元さんだから判型が大きくて厚く重い本ばかりなのだ。

「いやとある書店さんでそんなに売り込みたいなら実物を見せて欲しいって言われて。自分自身も書店員時代、営業マンから営業される度にそう思っていたんで…」

 あわてて自分のカバンの中味を確認すると『本の雑誌』1月号、『おすすめ文庫王国2005年度版』とあり「俺だってやればできる」と頷くが、実はそれはただ本を買うときのガイドのために持っていただけで、他にカバンに入っていたのは『蜩 慶次郎縁側日記』北原亞以子(新潮文庫)、『真剣』海道龍一朗(新潮文庫)。俺は単なる読者か?

 確かに前々からチラシ一枚でなく、表紙はもちろんそのものズバリを本を持って営業した方が、僕のヘタクソな営業トークよりよっぽど説得力があるんじゃないかと思っていて、でもでも面倒だし重いしなんて結局出来ずにいたのだ。それを実際にやられている営業マンに出会い思わず感動とともに心にメモ。

 そういえば出版営業で有名な斉藤一郎さんは、常に帯カバーも持ち歩き汚れている商品を見つけたらその場で膝と手を使って掛け替えると伺ったことがある。

 たぶんこういう基本を面倒がらずにしっかりすることが、とっても大切なことで言葉は悪いけれど「塵も積もれば」で、いつか大きな差を生むだろう。明日からはカバンを脹らまして営業に出よう! ってその後訪問した書店さんでは、本の雑誌のベスト10フェアの飾り付けしたいんだけど新刊に追われてその時間がぁ…と叫ばれてしまった。そうだそうだ、去年からベスト10発表の看板も作ろうと思っていたのに結局出来ず…。

 うう、来年こそは立派な営業マンになろう。

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