2月21日(水)
朝、武蔵野線に乗り込んだところでしばし悩む。やっぱり早く読みたい『ラスト・イニング』あさのあつこ著(角川書店)。藤沢周平の用心棒シリーズもあと1冊だから、ここは一気に読み進んでしまいたい。しかししかし、あさのさんの新刊が鞄に入っているのに我慢するのは、至難のわざだ。えーい、ここはひとつ一度又八郎に引っ込んでいただき、巧や豪そして今作の主人公らしい瑞垣に登場願おう。
というわけで読み出した『ラスト・イニング』。これは非常に紹介しずらい。なぜならどれを書いても『バッテリー』のネタバレになってしまうのだ。ここでは彼らのその後の物語を瑞垣の視点で描かれているとしか、いいようがない。
しかし巧という強烈な個性が際だっていた『バッテリー』のある意味脇役であった瑞垣が、これほどまでに深い登場人物だったとは。いや違う。瑞垣こそがもしかしたら『バッテリー』の中心だったのではないかと思えるほどだ。それはもしかしたらあさのさんから「誰だって主役なんだよ。自分の人生を歩いているんだよ」というメッセージなのではないか、なんて思わず深読みしてしまったほどだ。朝日新聞に掲載された「いじめ」に関してのあさのさんのメッセージはあまりに素晴らしく、いつか子供に読み聞かせようと取ってあるけれど、この『ラスト・イニング』にも同様な想いが込められている。
そしてどの視点からでも良いから、彼らのその後の物語を読み続けたいと思った。
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飯田橋・深夜+1の浅沼さんと昼食。浅沼さんの現在のイチオシ本は、『はやぶさ 不死身の探査機と宇宙研の物語』だそうで、探査ロケット「はやぶさ」 の開発とその後を追った素晴らし
い大興奮のノンフィクションだとか。うーむ、面白そうではないか。というわけで即購入。
その後は神保町を廻るが、三省堂さんの5階でも非常に面白そうな本が展開され、売れているとか。
『宇宙から見た日本 地球観測衛星の魅力』新井田秀一著(東海大学出版会)
『スパイ的思考のススメ』ジャック・バース著(日経ナショナルジオグラフィック社)
そしてT書店のSさんが今年還暦だと知り驚く。もしかして書店業界にも2007年問題があるのか。これ以上ベテランの書店員さんがいなくなってしまったらどうなるのか。
夜は、酒飲み書店員及び営業マンの集団、千葉会へ。
千葉会は、ここ1年くらい月に1回集まって、酒を飲んでいるのだが、よくよく考えてみると不思議な集団だ。先日新年会のあったネット21会のようにきちんとした組織でもないし、本屋大賞実行委員会のように目的があって集まっているわけではない。しかし酒だけで終わらず、互いに協力して販促活動をしていたりして、有志団体としては理想的な姿なのではないか。
そしてこの日も各テーブルで口角あわを飛ばすじゃないけれど、本やその他の話で大いに盛り上がる。そこには版元だからとか書店員だからなんて遠慮や傲慢もなく、言いたいことを言い合える。人と人としての付き合いがここにはある。会社で少しツライことがあったので、思わず途中その光景を見ていて涙が出てきてしまった。