8月21日(火)
事務の浜田と経理の小林が「欽ちゃんすごかったね〜」なんて話してやがる。確かに66歳で走った(歩いた)のはすごいかもしれないが、しょせんたった1日じゃないか。こちとらこの酷暑のなか毎日歩いているんだ。恵まれない営業マンに愛の手を。合いの手はいらん。
通勤読書は『猫鳴り』沼田まほかる(双葉社)。ホーラスペンス大賞『九月が永遠に続けば』でデビューされた著者なので、ミステリーかと思って読み進んだら、なんとストレートな猫小説でビックリ。四〇歳を越えて妊娠した子供を一度も会うことなく失った哀しみを抱える夫婦のところに一匹の不細工な子猫が迷いこむ。その猫を中心に、この夫婦とまた別の少年の話が語られていくのだが、第三章は猫を一度でも飼ったことのある人、そして喪ったことのある人には、たまらない章だ。20年間共に暮らした愛猫「小鉄」を思い出してしまった。
猫といえばブックファースト新宿ルミネ1店でバカ売れしていたのが、『まこという名の不思議顔の猫』前田敬子、岡優太郎著(中央公論新社)。こいつも不細工だけどカワイイ。
営業は新宿へ。
紀伊國屋書店新宿南店さんを訪問すると「本の雑誌」9月号の特集から「エンタメ・ノンフフェア」と題して、高野秀行さんと宮田珠己さん、高橋秀実さんの著作が並べられていて感激する。そうなんだよ、やっぱりこうやって全部きちんと同じ平台(棚)に並ぶとスッキリするんだよな。ひとりでも多くの読者が手に取ることを祈りつつ、もっと盛り上がるようにPOPを制作することを誓う。
そのままジュンク堂書店新宿店さんを訪問すると、こちらでもかなりの場所をさいて「エンタメ・ノンフフェア」開催していただいているではないか。9月号の座談会で取り上げた本がドカドカ並んでいてすごく壮観。一見まったく統一性のないような棚であるけれど、皆さんこれが全部「エンタメ・ノンフ」なんですよ〜と叫びたくなる。
そして紀伊國屋書店新宿本店さんの地下に潜ると(仕入れ課訪問)、春秋社のKさんと遭遇。Kさんは、僕の尊敬する営業マンのひとりで、Kさんと書店員さんのやりとりをじっと観察。なるほどこうやって話をすればいいのか。簡単に盗めはしないだろうが、誰も仕事を教えてくれないひとり営業なので、できる営業マンを観察して、勉強していくしかないのである。
その後ブックファースト新宿ルミネ2店の新しい文芸書の担当者さんとご挨拶。するといきなり「僕、椎名さんの大ファンで、椎名さんのサイン会をするのが夢で書店員になったんですよ」なんて無茶苦茶嬉しいことを言っていただく。
作家には村上春樹チルドレンなんて言われる人が多いけれど、実は椎名誠チルドレンも相当いるんじゃないかと思うな。書店員さんにもいっぱいいるし。ああ、上司があまりにデカすぎる…。