10月19日(金)
来月に入るとすぐ「本の雑誌」1月号と『おすすめ文庫王国2007年度版』のベストテンを決める会議があるため、あわてて積ん読にしていた本や話題作などを読み出している。それなのに読書の秋ということか、面白そうな新刊が毎日出ていて、これも一応というか、思い切り〆切期日(10月末奥付)に入るので読まなければならない。『アマゾニア』粕谷知世(中央公論新社)のように、ベストテンを発表した後に名作だと気付いても後の祭りなのだ。だからくたくたになって帰り、明け方まで読む。
本日は積ん読になっていた『静かな大地』池澤夏樹(朝日文庫)を読了。650頁を越える北海道開拓とアイヌの歴史小説なのだが、いろいろ考えさせられる良い本だった。しばし余韻に浸りつつ、次いで同じく池澤夏樹の著作『きみのためのバラ』(新潮社)を読み始める。こちらは先日浦和にオープンした紀伊國屋書店浦和パルコ店のSさんが、オープン作業の忙しいなか、この本だけにはPOPつけなきゃ!とオススメしていた本なのである。
バタバタと事務処理を整理しつつ、午前10時には会社の隣のファミマへ。2007年J1リーグの最終戦、横浜FC戦のチケット発売日なのだ。もう少し繋がりづらいかと思ったら、あっけなく繋がり観戦仲間の分も余裕でゲット。そうかぁ…大半のレッズサポは、その前に決まると考えているんだな。
いや僕もそう信じているけど、やっぱりリーグ最終戦は生で見たい。そんなことを考えていたら2005年のリーグ最終戦、アウェー新潟戦を思い出す。妻に土下座し、雪の高速に怯えつつ新潟へ。逆転優勝の可能性を持ちつつ、現に数十分間首位に立っていたのだが、最後はG大阪に優勝されたのだ。ああ、懐かしい。
営業は、一路、錦糸町のB書店さんへ。ただいま改装工事中で、Sさんもお忙しそう。そう思いつつも本の話やら販売の話やらで長時間お邪魔してしまう。しかしお邪魔をするなら、せめて有効なお話をしなければならないと、他の書店さんの展開の仕方や面白本の話などを話す。話すためには他の書店さんでいろんなことを観察しておかなければならない。
ただこういう情報収集の話をすると、勘違いした営業マンは「○○書店は危ない」とか「○○がどこそこに新店を出す」とかそういうことだと思っているようで、歩く噂の真相のような営業マンもいないではない。まあ、それはそれで面白いんだけど、ただ、そういう話をしている人は裏返すと今正対している書店さんの悪口や情報を他店で流す可能性もあるわけで、だから結局その書店さんも距離を置くようになる。
先日とある書店さんが閉店したのだが、そのことを近くの書店さんで「これからは○○書店さんの時代ですよ」なんて言っていたら、そこの書店員さんと閉店した書店員さんが仲良しですっかりばれていた。で、新規店では棚を外されてしまったなんて怖い話もある。
ようは自分が言われて気分の悪いことは、人に言わないってことが大切なのだろう。
その後は錦糸町から一気に聖蹟桜ヶ丘へ。森見登美彦応援団まなみ組や各種ペーパーのまとめ役として有名な書店員、ときわ書房の高橋さんが明日一杯で退職されてしまうのだ。次の仕事はとある出版社の編集部なのだが、Tさんとはすでに10年以上の付き合いで、元々僕の師匠であった書店員さんが「うちに一生懸命やっている面白いアルバイトがいるから会いに来なよ」と連絡を頂いたのが最初の出会いだった。
Tさんの、本への愛情や売ることへの気持ちは、もはや書店員という枠を越えたようなところにあるので、今度の転職は活躍の場を広げる良い機会だと思うけれど、もう棚や本を間に挟んでTさんと話すことはないのかと思うと哀しい気持ちでいっぱいになる。いろんなことを思い出してしまいそうになったので、「また!」といって別れた。