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かつてミスター・ジャイアンツは「失敗は成功のマザー」と言い、バカボンのパパは「失敗の失敗は成功なのだ!」と夕陽に向かって叫んだ。そうなのだ。失敗と成功は表裏一体紙一重、失敗のないところに成功はない。すなわち失敗作なしに大傑作は生まれない! そこで、本の雑誌11月号は愛すべき失敗作を称える特集だ。大傑作と見分けがつかない世界文学の壮大な失敗作から、反対に傑作の誉れ高い自然主義の愛せない失敗作、さらに思い入れたっぷりの偏愛失敗作まで、作家のチャレンジ精神が横溢する必読の失敗作が勢揃い。さあ、突っ込みどころ満載の失敗作で読書の秋を突っ走ろう!
新刊めったくたガイドは、三橋暁が強力ストーリーテリングが炸裂する『数学的にありえない』を一気読みすれば、石堂藍は味わいたっぷり吹き寄せごはん『ヘルファイア・クラブ』でお腹も満腹。大森望が立派な上製本で刊行されたユーモアSFアンソロジーに涙すれば、大矢博子は永井するみ『ダブル』に心臓バクバク! 吉田伸子が三浦しをんの駅伝小説『風が強く吹いている』を直木賞だけじゃ足らん!と絶賛すれば、米光一成はブルボン小林の『ぐっとくる題名』のぐっとくる表現に思わずくすくす。そして北上次郎は現代のビルドゥングスロマン『ぼくと1ルピーの神様』で、気分はすっかりミリオネア。さあ、テレフォン、オーディエンス、それともフィフティフィフティ? ライフラインを使って25億円の物語を味わってくれぇ!
そして今月は、北原古本旅がいよいよメインイベント・古本村「ルデュ」に到達。ベルギーの古本祭りを北原バカ本堂といっしょに堪能だ。さらに神谷竜介が『紀ノ川』を越えて有吉佐和子の世界にどっぷりつかれば、絵本探偵・吉野朔実は上野の森をじっくり散策。大河隔月連載「日本SF戦後出版史」はついに「S‐Fマガジン」が創刊! 「アフリカ」と「アメリカ」にヒップを考える鏡明に、「異邦人」と「よそもの」の狭間でゆれる青山南と長期連載陣も絶好調。熟年離婚を宣告された沢野ひとしの明日はどうなる!の本の雑誌11月号は、失敗なんてなんのその、成功のマザーを求めて、深まる秋に三段跳びなのだあ!
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