|
小説が売れないと言われるが、いやいやノンフィクション、中でも直木賞系のエンターテインメント・ノンフィクションはぜんぜん売れないの! なぜかというと書店に棚がないから。と嘆くエンタメ・ノンフの雄・高野秀行の提言に応え、エンタメ・ノンフをこよなく愛する3人が立ち上がった! というわけで、本の雑誌9月号の特集は「エンタメ・ノンフの秋!」。3人のエンタメ・ノンフ好きが高野秀行を迎え入れ、エンタメ・ノンフとはこれだ!を大いに語り合う緊急座談会だ。いつの日か来るエンタメ・ノンフ大賞設立に備え、ジャンルを確立し、具体的に書店の棚を作ってしまおうという提言特集。全国の書店担当者の参考になればうれしい。
新刊めったくたガイドは、三橋曉がリサ・ラッツの探偵家族で、夏枯れもふっとばせば、牧眞司はジョージ・マッカイ・ブラウンの短編集を見つけて、こんな作家がいたとは、と大喜び。大森望がベスターの超B級ホラーに出たな妖怪!と感無量なら、大矢博子はハードボイルド・ペット探偵・最上俊平の再登場に感涙。永江朗が藤谷治の黒い二部作の互いの関係が気になって、こっちを読んではあっちを読み返している間に、東えりかは「中国てなもんや商社」から11年、帰ってきた谷崎光の『北京てなもんや留学記』に興味津々。そして北上次郎は、スポーツの秋にこの2冊を読め! とスポーツ本を2連発! いやいや、秋がくる前に読んでしまおう!
今月から、戦後ミステリーの草創に携わった編集者に日本ミステリーの生き字引・シンポ教授が、当時のエピソードを聞く新シリーズがスタート! 第1回のゲストは、なんと83歳にしていまだ現役の出版芸術社・原田裕社長。戦後の1期生として講談社に入社、以来、山田風太郎に小説を書かせ、書下し長篇探偵小説全集を企画、東都ミステリーを創刊した波乱万丈の編集生活60年は、まさしく戦後ミステリー出版史そのもの。『徳川家康』刊行の裏話や松本清張を泣かせたエピソードも出てくる9ページだ。ミステリーファンならずとも読み逃せないぞ。
さらに今月は坪内祐三が古書価1万円の本を6千円で買う方法を伝授したかと思えば、穂村弘はまだ見ぬあなたに贈る本をリストアップ。吉野朔実がカメラマンへの道を突き進むかと思えば、柴口育子はマンゴー氷もとめてキョースマへの道を一直線。さあ、「どりこの」飲めば暑さも忘れる本の雑誌9月号で、ぼくもわたしも「いいね、いいね、いいね」の大合唱だあ!
|