世紀の架け橋におこたで読みたい本100冊+2

新刊採点員が選んだ42冊!
商品の本体価格は、価格変更等により画面表示と異なる場合があります。
 単行本班                     →文庫本班へ
今井 義男
1

人はなぜエセ科学に騙されるのか 上
カール・セーガン
本体 667円
ISBN-4102294031
【新潮文庫】

文庫化に伴い、えらく軽いタイトルに改題されて敷居がぐんと低くなったが、内容は科学教育の水準の低下と、大衆の科学に対する関心の薄さに警鐘を鳴らすきわめて真摯な啓蒙の書である。まさに必読の一冊、いや二冊だった。
人はなぜエセ科学に騙されるのか 下
カール・セーガン
本体 667円
ISBN-410229404X
【新潮文庫】
2
すぐそこの遠い場所
クラフト・エヴィング商會
本体 1,800円
ISBN-4794963815
【 晶文社】
せちがらい日常からほんの数時間脱け出したいときに最適の読み物。<アゾット>の夜空にはきっと賢治星雲、足穂流星群が肉眼で確かめられるはず。大切な人にプレゼントしたくなるほどアート・ワークも素晴らしい。
3
何かが道をやってくる
レイ・ブラッドベリ
本体 600円
ISBN-4488612016
【創元推理文庫】
十代でこの本と出会えたのは幸運だった。ときめき、驚き、恐怖。<ダーク&クガー魔術団>は嵐とともに少年の冒険心を駆り立てるすべてを運んできた。『10月はたそがれの国』と並ぶ私の永遠のベスト1である。

原平 随了
1
ハイペリオン 上
ダン・シモンズ
本体 800円
ISBN- 4150113335
【 ハヤカワ文庫】


これを読まずして、21世紀を迎えてはならない。この中には物語のおもしろさのすべてが詰まっている。
え?こんな大作、とても今世紀中に読み切れないって?大丈夫、読み出したら、絶対に止まらないから。
ハイペリオン 下
ダン・シモンズ
本体 800円
 ISBN-4150113343
【ハヤカワ文庫】

2
少年と少女のポルカ
藤野千夜
本体 448円
ISBN-4062648512
【講談社文庫】

藤野千夜作品に登場する少年少女たちは、ありふれた青春小説のように、ささやかな日常を悩んだり迷ったりするが、それでいて、男と女という強固な区分を、ひょいと軽やかに飛び越えていく。
3
エンダーのゲーム
O・S・カード
本体 699円
 ISBN-4150107467
【 ハヤカワ文庫】

人類の未来を背負わされてしまった子供、エンダーの運命は、何とも苛酷で、何とも痛ましい。ここから読み取れるのは、遠い未来に待ち構えているかもしれない戦争のことなどではなく、今現在の子供達の悲鳴だ。

小園江 和之
1 竜二 映画に賭けた33歳の生涯
生江有二
本体 571円
ISBN-4877284613
【幻冬舎アウトロー文庫】
金子正次は、今世紀に出た映画俳優のうち忘れてはならない一人だと思います。その圧倒的な存在感は今観ても色褪せてはいません。映画『竜二』を観てない方は是非、この休みにレンタルビデオ屋と本屋に走りましょう。
2 悪夢五十一夜
花輪莞爾
本体 5,600円
ISBN-4755103789
【小沢書店】
題名どおり五十一篇の奇妙なお話が収載されています。ひとつひとつは掌篇小説の長さなんですが、非常に濃密な文章でして、仕事の合間のちょい読みでは味わいが薄れます。炬燵に入ってじわじわと楽しむのが吉かと。
3 ボートの三人男
ジェローム・K・ジェローム/丸谷才一訳
本体 544円
ISBN-4122003512
【中公文庫】
読書相談室でも紹介されましたが、丸谷氏の訳が素晴らしいです。ゆったりとした雰囲気の小説なので、時間に余裕がないと面白さが伝わりません。登場人物の台詞の端々から乾いたユーモアを読み取る楽しさがあります。

松本 真美
1 美容の天才365日
斎藤薫
本体 1,700円
ISBN-4062092247
【講談社】
世紀と共に自分もリフレッシュしたいという女性にお薦め。私は今まで美容界隈からは遠〜い生活を送ってきたが、読後、一瞬「よし!こうなったら私もウツクシクなってやるか!」と思った。でも、「一瞬」だったのが私の限界か。「こうなったら」も意味不明。
2 神無き月十番目の夜
飯嶋和一

本体 750円
ISBN-4309405940
【河出文庫】
『雷電本紀』と迷ったが、あえて無愛想な方の『神無き月…』を。「読みたい人だけ読めばいい」ともとれるとっつきにくい導入部だが、実はアツくてストレートで力強い世界。くらくらしてぶっ飛んで、訳も分からないうちに新世紀に突入しようゼ。
3  

四月怪談
大島弓子

本体 581円
ISBN-459288356X
【白泉社文庫】


20年前の作品なのに全然古く感じられないのは、作者の力量か、自分の中の 一部分の時間が大島ワールドにシンクロしたまま止まっているからか。やたら死を想う1年を過ごしたので、この死生観(?)は沁みる。初子ちゃんが生き返った後の最後の4ページが珠玉。無事、21世紀を迎えられそうなことを幸せに想わないとな。

石井 英和
1
われらをめぐる海
レイチェル・カ−スン
本体 660円
ISBN-4150500053
【ハヤカワ文庫】
日付けがまた一つ変わる日には・・・地球の地軸が20世紀から21世紀にシフトする、その秘かな音を聞きながら、「沈黙の春」の著者が語る、海の不思議物語のペ−ジをめくろう。地球最大の面積を誇る青い大陸へ、驚異の旅に出かけよう。
2
プロレタリア文学はものすごい
荒俣宏
本体 680円
ISBN-458285057X
【平凡社新書】
20世紀はまた、社会主義が勃興し、そして夢破れ、崩壊していった時代とも捉えられるだろう。その「運動」の落とし子であるプロレタリア文学にあてられた、新しい「生きた文学」としての視点を楽しみたい。
3
「銀河鉄道の夜」探検ブック
畑山博
本体 437円
ISBN-4167404028
【文春文庫】
あの宮沢賢治の童話の中の銀河を行く列車は、実際、どのような旅を行ったか?の検証をした書。行き先は。その動力は。出発時間は。切符はどうなっていたのか、までも。詩人が星空に巡らせた幻想を辿り直す、もう一つの旅。

中川 大一
1
悲しきネクタイ
植木不等式
本体 1,000円
ISBN-4805205180
【地人書館】
ビジネス書からの引用と生物学の知識とを結びつけて、最後を替え歌で締める。1編わずか4頁のコラムで毎回これだけの趣向を凝らすのは、よっぽどの才能だ。嘉門達夫や高橋春男にも負けないパロディスト。新作待ってるよ!
2
イバラードの旅
井上直久
本体 1,650円
ISBN-4906268846
【架空社】
児童書だが、美麗な絵に大人もうっとり。懐かしいようでいて近未来的な、架空都市イバラードの風物。特に、遠景と光の描き方が絶品。著者の絵は、スタジオジブリのアニメビデオ「耳をすませば」にも挿入されている。
3
はみ出し銀行マンの勤番日記
横田濱夫
本体 460円
ISBN-404196301X 
【角川文庫】
暴露本だ。しかし、著者の姿勢に密告者の卑屈さは微塵もない。また、正義漢の傲慢さからもほど遠い。伝法な口調で暴かれる銀行マンのアホな実態に、大爆笑間違いなし! はみ銀シリーズ(角川文庫)は他のも外れがない。

唐木 幸子
1
或る女
有島武郎
本体 667円
ISBN-4101042055
【新潮文庫】

主人公・葉子は『風と共に去りぬ』のスカーレット・オハラと同じように美しく、意欲に燃え、自らの意志に忠実な女性だ。愛においてはスカーレットよりも自由奔放で凄みがある。明治時代の作品だが、この女性像にはミレニアムを越えて生き続ける力がある。
2
貴族の階段
武田泰淳
本体 1,000円
ISBN-4006020198
【岩波現代文庫 】
絶世の美女・氷見子は政治や軍には何の関心もない貴族のお嬢様だ。その彼女の正直で冷徹な観察眼を通して、政治家の父の欺瞞、軍人の兄の哀しさや、戦時中の不毛の恋愛が実に色鮮やかに描かれる。女性の語り口なのに、壮大なスケールを感じる。
3
虞美人草
夏目漱石
本体476円
ISBN-4101010102
【新潮文庫】
漱石の作品の中で私はこれがイチ押しに面白いと思う。美人だが超我儘で打算的な女や、目立たないが気立ての良い女、我儘娘に振り回される男と振り回されない男。全てのキャラクターが揃った恋愛劇は100年前の作品とは思えない活力だ。思いがけない結末で漱石もサスペンスしているぞ。

→文庫本班へ