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ところが、小冊子をぱらぱらやってみて気がついたのだが、実は私、記憶力に自信がないので、こういう場合、役に立たない。読んだ記憶はあっても、どういう内容だったかなあとすっかり忘れている作品があったりして、頭が痛い。そこで、この小冊子に載っている文庫本の中から、私が解説を書いたものを数えてみた。自分が解説を書いたものなら覚えている。しかも内容を保証できるから、それをおすすめすることでガイドに代えるというのはどうか。おお、それはいいアイディアだと自画自賛。というわけで拾い集めたのが次の七冊。
(1)椎名誠『もだえ苦しむ活字中毒者地獄の味噌蔵』(角川文庫) (2)下田治美『愛を乞うひと』(角川文庫) (3)浅田次郎『鉄道員』(集英社文庫) (4)夢枕獏『神々の山嶺』(集英社文庫) (5)宮部みゆき『魔術はささやく』(新潮文庫) (6)真保裕一『奇跡の人』(新潮文庫) (7)佐藤賢一『双頭の鷲』(新潮文庫) さすがに傑作ばかりだ。問題は、講談社文庫の小冊子に、私が解説を書いた文庫が一冊もなかったこと。どんなに最良と思われるシステムには欠点はあるということだ。それに篠田節子『女たちのジハード』(集英社文庫)のように、すごく語りたいのに自分が解説を書いていないために今回のシステムでは対象外になる文庫もあったりする。困ったね。しかし、ここまできたんだからもう変更できない。この七冊でいってしまおう。名作ばかりで今さら、ですか? この七冊をすべて読んでいる人は、この先はもう見ないで結構です。時間の無駄なので新しい本でも読んでください。一冊でも未読の方のみ、お読みください。夏休みたって、そう何日もあるわけではないから、そんなに本は読めない。たった一冊でいい。愉しい本、感動する本、記憶に残る本と、一冊出会えば、「2001年の夏は、あの本を読んだんだ」と今年の夏が永遠にあなたの胸に残るだろう。
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