このところウェブ連載「助っ人クロコダイル日誌」(関口鉄平)が凄まじいスピードで更新されている。何かいいことでもあったのか、あるいは気温の上昇にともなうリビドーの疼きを抑えられないでいるのか、ともかく若いっていいなー、なんて思っているとそ鉄平が見下すように言うのであった。「藤原さんは更新しないんですか。ぐふふ」
うるせえ。俺だって読んで書いて前進したいのである。しかし、仕事が溜まっている上にワールドカップが重なってほとんど寝ていない(どちらも自分が悪いから文句も言えない……むう)。おまけに育ちの良さが災いしてか、高尚に物事を考えてじっくりと慎重に生きていくタイプだからつい悩んで筆が進まない、ってなことだって当然ある。それが人間というものであろう。人間だもの。さらにさらに前回の原稿を読んだ友人からは「うわ、気持ちわる。これでお前、もう長澤まさみみたいな美女には見向きもされなくなったな、うわはは」と嗤われ、あかんっ、ついうっかり妄想なんぞにとらわれて暗い過去を露呈してしもたっ、うわー! まさみたーん! などと激しく後悔して畳の上で身悶えしていたのである。この傷つきやすい内面というものが君に理解できるというのか、鉄平。だからつまり、要するにだ……あんまりいじめないで、優しくしてね。ぼくは褒めて伸びる子ですよ。仲良くしましょう。
そんなわけであまり深く考えず、どんどん読み進めていくことにします。多少の粗相はお許しください。
さて今回は鉄平くんも大好きな(まんだらけがある)中野駅北口を舞台にした大倉崇裕『白戸修の事件簿』(双葉文庫)です。白戸くんが次々と事件に巻き込まれ、アウトローな世界を垣間見る、という連作短篇ミステリ。で、中野駅北口ってのが事件発生のスイッチみたくなっている。白戸くんが中野に来ると、<あっち側>の世界への扉が開く、という仕掛け。
面白いのは、この白戸くんが主体性ゼロのへなちょこ大学生ってことです。優柔不断でお人好し。でも、妙に正義感があって相手がどんなヤクザまがいの人間でもその心意気に応えようとするから憎めない。しかも時々急に名探偵ぶりを発揮。やるじゃん、白戸くん、とちょっと見直しちゃったりもするのです。
しかし、なかなかどうしてこの白戸くん、まわりの人間の力を引き出すのがうまい。一見頼りない足手まといのパートナーにしか見えないのに、白戸くんと組んで事件に立ち向かう人間は、そのポテンシャルをいかんなく発揮できるようになるのです。ほっとけないからか? これはほんと不思議。究極の甘えん坊キャラですね。見習うべき点が多々あります。全国の甘え系男子にとってこれは必読の書でありますぞ。
強いていえば、颯爽と現れては疾風のように去っていく闇の義賊・山霧純子さんの登場シーンをもっと見たかった。かっこいいんです。続編に期待。
P.S.
ちなみにこれ読んで社長が一言。「長澤まさみって、誰?」
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