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| ■8月28日:第4回 |
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8月25日の日曜日、昼間はまず北海道マラソンをTV観戦。 ひとつ気になって仕方がなかったのは、ゲスト解説の谷口浩美さんです。あのバルセロナ五輪の名言「こけちゃいましたあ」でおなじみの、いつもいつも苦しそうに小首をかしげながら走っていた名ランナー。 何が気になったかというと、谷口さんって普通にスタジオに座っているときも、微妙に小首をかしげているんですねえ。かしげているというか、傾いているというか。 あの独特な姿勢はてっきり、マラソンを走っているときの苦しさから来る癖なのかと思っていたのに、普段から同じだということを発見して、うれしくなっちゃいました。そんなことで喜んでいる場合じゃありませんか。 そして夜は国立競技場へ出掛け、ラグビーを観戦してまいりました。サントリー対サラセンズの親善試合。サントリーは2年連続日本一、サラセンズはイングランドのプロのクラブチームです。 前半はサントリーの展開ラグビーの持ち味が存分に発揮されて、28−19とリード。特にFB栗原−WTB北條−FB栗原と、ふたりの走り屋の個人技でつないだトライはワンダフル! しかし後半になると、サラセンズがFW戦に持ち込み、モールを多用してトライ・ラッシュ。最終的には42−61でサラセンズが勝利し、地力の差を見せつける結果となりました。 でもなあ、あれは本当に地力の差なのかどうか、よくわからんところもあるぞ。今回の試合は両チームとも9人まで交代が認められ、実際に両チームとも9人の交代枠を全部使い切りました。9人っていったら半分以上ですよ。後半なんて、もう交代しまくり。 サントリーは主力選手が交代を重ねるたびに戦力が低下し、でもサラセンズは交代を重ねても戦力が落ちない。どうもその辺の差が、後半の一方的な展開につながったように見えました。 で、これはよく考えたら当たり前かも知れなくて、サントリーというのはグラウンド一杯に走って走って走りまくって、連続攻撃で相手のバテを誘い、敵の息が上がったところを一気呵成に攻め込む、というプレースタイルで頂点を極めたチームです。でも、相手が9人も交代しちゃったら、そりゃバテませんよ。 しかも、相手はでかくて重い。一般的な傾向として、でかくて重い選手はスタミナに弱点があるものです(世界はそんなに甘くないけど)。逆に言えば、スタミナを気にしなくていいのなら、でかくて重いほうが有利に決まっている。だから「9人交代OK」というルールは、サントリーのような、走りまくって相手のエネルギー切れを誘うチームには不利で、でかいチームほど有利に働きますよね。ちょっと単純化しすぎだけど。 ラグビーというのは、昔にさかのぼれば選手交代がいっさい認められない競技でした。何があっても先発の15人が最後まで戦うんじゃい!という考え方こそが、ラグビーの根本の美学にあったように思います。明確に役割分担が決まっているアメフトなどとは対極に位置するものです。 それが徐々にルール変更され、負傷した選手は交代してもいいですよ→負傷しなくても戦術的な交代を認めますよ、というふうに変わってきました。現在では通常7人まで交代が認められています。つまり、選手交代に関して、自由で柔軟な方向へどんどん進んできています。 これはひょっとしたら日本にとって由々しき事態ではないか、と心配になっちまうわけです。身体のサイズにおいて致命的な不利を背負っている日本が世界と互角に戦うには、フィットネスを鍛えて走り勝つ方向しかありえませんよね。世界と互角に戦うのはハナから無理って噂もありますが。 ここ1〜2年のサントリーのラグビーは、それを理想的なスタイルで、わかりやすい形として示してくれていると思うわけです。 ところがですよ、選手交代が自由になればなるほど、いくらフィットネスを鍛えても、でかいヤツらにはかなわないという絶望的な事実が明らかになっていく。今でも全然かなわないのに、もっとかなわなくなってしまうんじゃないか。サラセンズとの一戦を見ていたら、そんなことを感じずにはいられませんでした。
土田雅人『勝てる組織』(小学館)を紹介しましょう。 サントリー・ラグビー部監督の著者が、選手たちの意識改革を行い、サントリーを日本一のチームに育て上げてゆく過程を記した本です。 この本、タイトルでかなり損をしていると思うなあ。だって、いかにも“なんちゃってビジネス本”みたいじゃないですか。よくありますよね。スポーツの分野で成功した指導者に、ビジネスマン向けの本を書かせる手法。プロ野球の野村克也元監督もよく出していたけど、「ビジネスにも活用できる金言集」とか「上司が部下をうまく動かすノウハウ」といった類の、スポーツの衣をかぶせた強引なビジネス本。 『勝てる組織』というタイトルから連想するのは、そっち系の本ですよね。実際そういう内容も含まれてはいるんですが−−「ラグビーはビジネスと似ている」みたいな−−もっと純粋なスポーツ・ドキュメント本ですよ。打倒・神戸製鋼に燃え、念願の日本一を奪回するまでの、サントリー・ラグビー部の改革と前進が記録されている。内部の人間の証言を豊富に交えながら。 おもしろかったのは、土田監督やベテランの選手ほど「打倒・神戸製鋼」に燃え、神戸製鋼に対して特別な感情を持っているのに、若い選手にはそれがちっともなく、だから神戸打倒があっけなく果たせたのではないかと感じさせる点です。あっけなくなんて書いたら、そんなに生やさしいものじゃないぞと怒られるかな。 サントリーの天下がしばらく続くのか。神戸製鋼を始めとする他チームが巻き返してくるのか。今季の社会人ラグビーの開幕が今から楽しみです。 |
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