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スティーヴ本郷の「スポーツ観戦中毒者にスポーツ本は必要か」
 
■2月19日:第15回

  あの〜、このまま暴走を許しといてもいいんでしょうか、ヤワラちゃん。キャンプもヨシ君といっしょじゃなきゃヤだ。
 と、ゆるーい感じで始めてみました。ゆるーい感じはヤワラちゃんのファッション・センスに合わせたものです。しかし、高橋尚子といい、普段おしゃれに無縁な生活を送っている夢見がちな女性が気張ったときの微妙な方向の誤り方は、考察に値するものがあります。考察しないけど、誰か教育的指導を与えてください。

 相変わらず今の時期はラグビー観戦中心のスティーヴです。2月16日はみぞれ混じりの雨が降る秩父宮にて、日本選手権の準決勝、サントリー対リコー戦を観戦して参りました。
 前半は雨合羽を着込み、バックスタンドに陣取っていたんですが、そのうち横から雨が降り始めたので、さすがにこれはかなわんと、後半はゴールポスト後ろの屋根つきスタンドの上のほうへ移動しました。俯瞰図でいうと、グラウンドを横から見ていたのが、縦から見下ろす位置に変わったわけです。そしたらこれが角度的にとても新鮮でした。
 なんだかフルバックの気分になれるというか、BKラインの並びや動き出しのタイミングがわかりやすく、今までは活字でドリフト・ディフェンスがどうのシャロウ・ディフェンスがこうのと言われてもピンと来なかったものが、理解できた気になれる。わしの観戦レベルはそんな程度です。

 ほんでね、そういう観戦スタイル別の、初心者向けの語り方もあっていいんじゃないかと思いました。ディフェンス・ライン全体の動きを見たかったら縦の位置に陣取ってみましょうとか、FWの第1列に注目する場合はこの位置でこんなふうに見ましょうとか(ないか、そんなの)。
 よく「ラグビーはわかりにくい」と言われ、今はテレビ中継や現場スタンドでも初歩的な解説が入るようになってきていますが、ラグビーのわかりにくさってルールや反則だけじゃないと思うんですよ。どの選手をどう堪能したらいいのか、つまり、どのポジションはどういうプレイがすごいのか、その見方がわからないんですよ、たぶん。
 だから大方は「FWの選手って何やってんの? スクラムが強いと何の関係があるのかよくわかんない」という段階で止まってしまう。壁になっているのはルールじゃない。観戦技術の上手なステップアップ法みたいな、その雛形を提案してあげることも必要なんじゃないかという感想を持ちます。
 でも、ラグビー通の方々はきっと、そんなことに何の興味もないんだろうなあ。

ラグビー・サバイバー
『ラグビー・サバイバー』
日本ラグビ−狂会 著
【双葉社】
本体 1500円
 
 日本ラグビー狂会『ラグビー・サバイバー』(双葉社)。
 ラグビー好きにはおなじみの狂会本です。楕円球フリークのライターが集まり、それぞれ自由なテーマを選んで書き下ろす。正直このシリーズも、年々、“活字でラグビーを語る芸の競い合い”の色を強め、以前より熱気が薄れてきた印象でしたが、今回はやけにインタビューものがたくさん入っていたりして、半分くらいは面白かったです。
 99年W杯の、フランスがニュージーランドを敗った伝説の一戦の検証が、今さらながら載っているのが個人的にはうれしかったです。

 それから、サッカーW杯のあの熱狂は、ラグビー・ライターたちにも多大な影響を与えたようで、みな多かれ少なかれ「なぜサッカーであり、ラグビーではないのか」について思案している様が伝わってきます。
 こんなニュアンスの意見もあって楽しかったです。
「サッカーなんてさ、痛くもないのに痛いフリして、しかもそんな男の風上にも置けないような行為が、技術のうちと評価されるような競技だぞ。そんなものに国の威信をかけていいのか、おい!」
 あ、すいません。一部、脚色しました。

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