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スティーヴ本郷の「スポーツ観戦中毒者にスポーツ本は必要か」
 
■2月28日:第16回

  ついに負けましたね、サントリー。30連勝を止めたのは東日本リーグ7位のNECでした。
 前回の対戦が後半20分過ぎまでいい勝負でしたから、ひょっとして王者に土をつけるのはNECのような泥臭いラグビーなのかなという予感はあったんですが、それにしてもあの“3〜4人まとめて襲いかかってターンオーバー”とか“ラインアウトからひたすらモール押し込み攻撃”とか、武骨な体育会系の戦法は楽しかったです。ラグビーとはボールを奪い合う競技なんだという原点を久しぶりに思い出しました。

 戦前、サントリーの土田監督には「20年前のラグビー」と挑発されましたけど、やっぱりチャンピオン・チームを負かすのはそれと正反対のカラーを持ったチームなんでしょうね。
 サントリーは栗原の不在と伊藤の途中退場が痛かった。栗原がいないと小野沢も生きないし、と、なんだか素人のホームページ日記みたいになってきたのでやめます。
NECというのはキャプテン箕内をはじめ、関東学院大学出身の選手が多い。あの、あんまり頭が良くなさそうなラグビーは関東学院らしさに通じるところがあり、などと言ったら怒られちゃうのか? 関東学院ファンとしては、今季早稲田に負けた鬱憤を代理で晴らしてもらった気分です。

 ラグビーの話題はこれくらいにして、何か本を紹介しましょう。と思ったけど、最近あんまりお薦めしたいスポーツ本に当たってないんだよなあ。
 後藤忠弘編著『あの一言はすごかった!スポーツ編』(中経出版)は、過去100年以上に渡る歴史の中から選りすぐったスポーツ名言集、という触れ込みです。
 ぼくはアスリートが発する言葉に興味のある人間なので、中身も確かめずに購入しましたが、どうなんだ、この本は。

あの一言はすごかった!スポーツ編』
『あの一言はすごかった!スポーツ編』
後藤忠弘編著
【中経出版】
本体 1500円
 

 たとえば長嶋茂雄の名言はこれが収録されています。
「巨人軍は永遠に不滅です」
 これ、見た瞬間に半分以上の読者が気付くと思いますが、正しくは「永久に不滅です」で、「永遠」じゃないですよね。スピーチ台本は「永遠」になっていたけど長嶋さんが間違えて「永久」と喋ってしまったらしい、といったエピソードも広く流通しています。
 よりによって言葉にこだわる名言集で、日本一有名な名言を平気で間違えて載せてしまう。それを編集者ほか、誰も気付かない。

 シドニー五輪の競泳種目、女子400m個人メドレー銀メダルの田島寧子の名言はこう記されています。
「ああ悔しい、めっちゃ悔しい。やはり金のほうがいいです」
 いかがですか、この活字への起こし方は。別に本を攻撃することが目的じゃないけど、これじゃあ全然、あの田島寧子のあっけらどっかんの雰囲気が伝わってこない。「やはり金のほうがいいです」なんて言ってないし。

 文句だけ並べるのも何だから、本書には収録されていない、お気に入りの名言を紹介しておきましょう。
 ボクシングのジョージ・フォアマンが40歳間近でカムバックしたときの言葉。
「夢を見ることができる者は何でもできるということを教えてやる」
 そして45歳でチャンピオンに返り咲いたときの言葉。
「歳をとるのは悪いことではない」
 シビれるねえ。そういえば中島みゆきの昔の歌にも「歳をとるのは素敵なことです」というフレーズがありました。


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