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| ■8月12日:第27回 |
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あまりにも暑いので、スポーツ観戦中毒者にスポーツ本は必要かというタイトルの意味を久しぶりに考えてみた。 必要かと聞かれればこう答える。 「少なくとも夏には必要ない」 さんさんと降り注ぐ日射し、スポーツイベント真っ盛りの季節に、もぞもぞと部屋の中でスポーツ本を読む行為は根本的に間違っている。激しい矛盾を抱えている。 以下はこの一週間の日記のようなものだ。 矛盾に気付き、書を捨てて街に出た男はヤクルト・スワローズの試合を観戦するが、無謀な走塁による憤死と軽率な守備のミスを繰り返した末の1点差負けをくらう。ぐったりした帰りの電車の中では日本雑誌協会の<私は、マガ人>という途方に暮れるしかない中吊り広告が目に止まり、深い脱力感に襲われる。 気分転換をはかるべく今度は映画館へ繰り出し『踊る大捜査線THE MOVIE2』と『ターミネーター3』を鑑賞する。しかし『踊る大捜査線2』では舞台用の演技をスクリーンに持ち込んだ某宝塚女優の芝居に興をそがれ、『ターミネーター3』では莫大なお金をかけて車を破壊しまくった二時間の予告編を見せられる。 あらためて気を取り直しヤクルト・スワローズの応援にいそしめば再び無謀な走塁による憤死と惜敗に打ちひしがれる。たまには仕事もせねばと重い腰を上げオンにしたパソコンでまず株式の動きを確認すると、大きく持ち直したはずのハイテク株はアメリカ相場に引きずられて値を崩している。 そんな苛立ちと押し寄せる暑さのせいで突然炭酸飲料が欲しくなりペプシレモン味をがぶ飲みしていたら体がニコチンを求め、昨年秋以来続いていた十ヶ月の禁煙生活をうっかり破ってしまう。おまけに覚醒作用で睡眠のリズムまで狂ってしまい約束をすっぽかした上にハロモニのなっちスペシャルを見逃す。
これじゃいかん、そろそろWeb本の雑誌のコラムも書かねばならぬ、よしこれにしようかとムチ打って読んだ本が 後藤健策『名将たちはなぜ失敗したか』(草思社)。 疲れた。脱力感が倍増した。本来ならばあらたに推薦するべき本を探すところだがもうそんな余裕と前向きの姿勢は残っておりませぬ。 野村克也、上田利治、広岡達朗、古葉竹識、仰木彬ら、名将と呼ばれた指揮官たちもその後はことごとく敗れ去っている。なぜ、彼らは敗れたのか。その理由を見ていく本らしい。 これらの人たちは名声が空しく消えてしまい、もう名将と呼ばれないんだそうだ。知らなかった。初めて聞いた。 野村克也監督が阪神で成功しなかったのは、野村IDとはもともと阪神というカモがいたから成立した野球であり、そのカモがいなくなれば成績が上がらないのは当然だという。すごい。斬新な意見に目からタラコが落ちた。 上田利治監督が勝ち運に見放されたのは、昭和53年の阪急−ヤクルトの日本シリーズで大杉のホームランをめぐり、ファンを無視した抗議を延々続けたことの当然の結果だという。なるほど。25年もたってそんな新説を長々と説明してもらえるとは思わなかった。 終始こんな調子である。ぼくの夏を返してください。 せっかくだから、数年前に出たムック『名監督の条件』(ベースボールマガジン社)を挙げておこう。ここにはプロ野球の監督はほとんど、六〇歳を過ぎると勝率が低下するというデータが載っていた。と、口直しのフォローを入れておく。 |
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