全国の軽音楽部の皆さん(横丁カフェ読んでいるかな?)そして軽音OBの皆様「こんな本が読みたかったんだよ!」と思える青春バンド小説がありますぜ!!
先輩の不祥事により学校側から条件付で存続の許可を得て活動をする軽音楽部。主人公啓人(ギター)と元幽霊部員の伸太郎(ベース)はバンドメンバーを探し、軽音楽部が唯一存在をアピールできる文化祭のライヴでの成功を目標に奮闘する様が描かれた作品。
この作品は、音楽や演奏に関することが細かく描かれている点が素晴らしいのです。
アンプに通さないでギターの練習をしていた啓人がメンバーを集めてアンプを通して演奏するとピッキングのミスが目立ったなんて事や、メタル系のテクニカルなギターを弾いていた勇作がこのバンドでパンク系が中心になるために弦を太くしたといったエピソードに「そうそう」と思わず納得してしまいます。
さらに感心したのはバンド経験者なら苦労した事があるドラマー探し。ギターやベースをやっている人は多いけどドラムはなかなかいないんですよね。
私の学生時代も何バンドも掛け持ちして文化祭が終わると燃え尽きていたドラマーがいましたからね(体力使いますからね)。そんなドラマーを吹奏楽部から見つけるという発想は見事!コレ現役の軽音の皆さん参考になりますよ!!音楽室を使う時間でブラバンと軽音が揉めるなんてことがあるかもしれませんが、ここは上手く友好関係を築いてティンパニーをやっている人を借りるってアリですよ!!
高校生らしい、テクニックより勢い重視な選曲がライヴの盛り上がりをイメージさせます。ノーマル・チューニングと半音下げる曲の割り振りやギターチェンジのタイミングまで考えてあるのには感心しました。
そして、この作品の最大のポイントとして、洋楽の歌詞を上手く日本語にしている点です。今までなら歌の部分が英語で書いてありメロディーがなかなか浮かんでこないことがありましたが、本書ではKISSの「I
Was Made for Lovin' You」のサビを「あーいわずめいふぉー・らーびにゅーべいべー・ゆーわーめいふぉ・らーびみひぃ〜」と言った感じで書いてあるのです。この鼻歌か呪文に見える字を追っているとメロディーが浮かんでくるんですよ!(曲を知っているからかもしれませんが…)コレは非常に斬新でした。
唯一気になるのは「ここまで上手くはいかないだろ」って突っ込みたくなるベタな展開ですが、そこも含めて痛快でワクワクしながら読める作品です。勿論音楽に興味がない方も楽しく読めますよ。
そうそう、この作品を読んで作中に出てくる音楽が気になったら、ラモーンズ「ラモーンズマニア」、グリーン・デイ「インターナショナル・スーパーヒッツ」、オフスプリング「グレイテスト・ヒッツ」、クイーン「グレイテスト・ヒッツ」、KISS「グレイテストKISS」と各バンドベスト盤が出ていますので、それを聞きながら読み返すとさらに盛り上がれますよ!!
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