いきなり宣伝みたいで申し訳ないのですが、千葉の酒好き書店員が勝手に決めている酒飲み書店員大賞の第3回大賞の最終選考をしています(詳しくはコチラ)。
参加者が増え今まで以上にバラエティに富んだ作品が揃ったものの、最終候補に残った4作品を見ると酒飲み書店員らしいラインナップに落ち着いた感じがします。さて、この4作品から第3回大賞になるのはどの作品なのでしょう? 興味を持った方はお近くの書店で候補作を探して読んでみてくださいね!
さて、今回紹介する作品は記念すべき第1回酒飲み書店員大賞受賞作家で“酒飲み書店員がオススメする1冊”という名前を“酒飲み書店員大賞”に変えて下さった高野秀行さん最新刊『怪獣記』です。
科学ライターとの電話がきっかけでトルコのワン湖にいるといわれるUMA(未確認不思議動物)ジャナワールを探す10日間が描かれた作品です。
高野さんはUMAを闇雲に信じているわけではなく、現地で目撃者の証言なども冷静に分析しているんです。本文の中に「日本でも霊やUFOを“見てしまう人”がいる。本当にそういう能力があるのかもしれない〜“見てしまう人”の話は参考にならない。信じるとか信じないとかいう問題ではなく、確かめようがないからだ。〜残念ながら私は“見てしまわない人”であり、アンチ・ロマンの現実主義者である。」という箇所がありコレって普通の人(UMA好きが普通じゃないという訳ではないが)のスタンスと同じなのではないでしょうか? しかし、フェイクだといわれているビデオに写っているジャナワールが本当にフェイクなのかを確認しに、わざわざトルコまで行ってしまうのが普通じゃないですよね。
そんな現地でのジャナワール目撃映像や証言ですが、金儲けにビデオを作ったと思われる人や民族問題を誤魔化す為といった政治的な理由で目撃者になってしまった人、“見てしまう人”などアスパラガス(トルコでフェイクの事)が多く、そんな人たちの怪しい話や人物描写が面白くニヤリとしてしまいます。
とにかく随所の笑わせる要素がちりばめられているのですが、作品的にもクライマックスの高野さん自身がワン湖に幼児用のゴムボートで水面と水中を探索するシーンは爆笑してしまいました。
昔懐かしい川口浩探検隊に代表されるテレビの過剰な演出とは違うこの作品はUMAモノではありますが、ドタバタ旅行エッセイとして読んだら面白いかもしれませんね。
さて、肝心のジャナワールに高野さんは遭遇できたのかは本書を読んで確認して下さいね。
話はチョット変って、今月の本の雑誌で「エンタメ・ノンフ(エンターテイメント・ノンフィクションの略)の秋」という特集の座談会に高野さんが参加しています。この座談会で「書店にエンタメ・ノンフの棚を作ってもらう」という提案がされていて、そのラインナップがなかなか面白く、ウチも店も棚を作ろうと思っています。
そんな訳で『怪獣記』を探しに最寄りの書店に行ったときに書店員に「エンタメ・ノンフ」の棚どこですか?と問い合わせをして、そのお店に棚があれば『怪獣記』の次に読むべき作品がその棚にあると思います。
「スミマセン。そういった棚はありません」と言われた場合、集英社文庫の棚のた行を探して高野さんの過去の作品を読むことをオススメします。
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