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紀伊國屋書店新宿本店/平野千恵子さん

2008年1月31日

『名前探しの放課後』
『名前探しの放課後』

【 講談社 】
辻村 深月
1,470円(税込)
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毎年11月から1月の成人式まではホンットしんどい。11月はレジが忙しいし、12月に向けて商品の積み込みをしなくてはいけない。12月はレジが本当に忙しいし、その分売れた商品の品出しもどんっと増え、ラッピングがあり、クリスマスや年賀状作成用PC雑誌や年末年始と立て続けにコーナー変更があり、学参は受験商材の積み込みがあり、忘れちゃいけない英検漢検、あーもーこんがらがってきた!!

パニクりつつ新年を迎えてすぐ、直木賞芥川賞候補作の発表があるわけです。だから夏に比べて冬は、びっくり感があります。もう直木賞の時期なんだ!ただ、発表があってもまだ取次・出版社も営業していないので、あまりできることもありません。お店に在庫があったら、これ幸いとコーナーを作成します。で受賞作決定。桜庭さんですか!ちょっと在庫あった、良かったー!それもあっという間に売り切れ。

成人式を向かえて、ようやく通常業務に戻り、ほっと一息つきながら、今は春の入園入学コーナーの装飾用ペーパーフラワーを作っています。ピンクや黄色のティッシュみたいな紙で作る奴です。春は直ぐそこだ急げ急げ!

ということでちゃっちゃとこちらの本を紹介します。
辻村深月「名前探しの放課後」。

主人公”依田いつか”(←女の子みたいな前ですが男の子です。)は突然自分が3ヶ月前にタイムスリップしていることに気づきます。はっきりと覚えてはいないが、近い未来に、同じ高校の同じ学年の生徒が一人自殺をする。その”誰か”の自殺を止めるために、”坂崎あすな”や友人と放課後の名前探しを始めます。どうやら自殺する同級生は、都心から引っ越してきた河野基の可能性が高い。彼はクラスで上手くなじめずに、いじめを受けているらしい。本人に気づかれないように自殺を止めようと、”いつか”達は基に接触して。。。

表紙といい、タイトルといい、どうしてもデビュー作の「冷たい校舎の時は止まる」を思いだしてしまいます。「冷たい〜」は不思議な力によって雪の降る学校の校舎に閉じ込められた8人。誰だか覚えていないけれどもこの中の一人は自殺をしてもういないはず。それは誰なのか、どうして校舎から出られないのかを探る話でした。メフィスト賞で青春ミステリー。「空の境界」と同時期に発売され話題を奪われてしまいましたが、これまたロングで売れた大変面白い作品です。

その印象が抜けなくて、同じ路線かなあと思いつつ、”いつか”や”あすな”が基と信頼を築く過程が、青春で青春で凄く面白いなあと読み薦めていたら、最後の最後でどんでん返しがきました。あーびっくりした。すごい。これは力技です。慌ててもう一度読み返してしまいました。でも、青春の良さは変わらないんですよ。どんでんがえってもやっぱり青春でした。「冷たい〜」を一回りも二回りも超えた感じです。

正直、ライトノベルを書いていた桜庭一樹が文芸書で直木賞を取ったり、講談社ノベルスの有力新人だった辻村深月が文芸書の世界へ旅立ったり、ちょっとさびしい気もします。でも、今よりもっといろんな人に読んでもらいたい作家です。文芸書でも応援します。今年は辻村深月が、より注目される年になりますように!

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