最近、若い男の子というのが大変かわいらしく思えます。きっかけはスポーツニュース。織田信長の子孫という男子フィギィアスケートの選手が紹介されているのを見たときからです。あどけなさの残るまだ10代の選手を見ていると「ああ、かわいいなあ」とふと、ため息をついてしまいます。若い女の子も同様。しかし、これを話すと「ついに変態道まっしぐらなのか…」という顔つきで見られてしまうのが少々難点なのですが。
まあ、少年少女というものは何とも不可思議なものでして。時には大人びて、時には幼児のごときに振る舞い、たえず大人と子どもの中間をふらふらとしています。だからこそその感情もとらえどころがなく、どのように接していけばよいのか悩むこともあれば、単純にあいつらの思考に興味が湧いてくることもあります。
そんなとらえどころのない少女の心情を描いたミステリーがあります。それが今回紹介する『少女には向かない職業』です。すいません、やっと本が出てきました。
これは中学2年生の大西葵という少女が夏休みから冬休みまでの短い間に、2人もの人間を殺してしまうというなんともショッキングな物語です。あらすじは本当にこれだけでどんでん返しがあるわけでもなく、実は真犯人が!というわけでもありません。しかし、その殺害までに至った状況と心情を丁寧に書いています。
大西葵はクラスでは結構ひょうきん者として人気があり、いつも帰り道は女の子グループでマックに寄り道するような少女。しかし、家では酒乱の義父との折り合いが悪く肩身の狭い思いをしています。そんな大西葵が殺人を犯すに至ったキーパーソンが宮乃下静香という少女。彼女は学校では目立たない風でありながら地元網元の令嬢であり普段着はゴシック調の服装。大西葵と宮乃下静香は学校と家との在り方が正反対の少女たちです。宮乃下静香が大西葵に興味を持ち親しくしていく中、ある事件がおき結果として大西葵が殺人を犯してしまうのです。そしてそれを引き金に第2の殺人も。
本州最西端の鄙びた街、その街と橋で繋がる島という閉鎖された空間で逃げ場もなく、大西葵は罪の意識にさいなまれながら、母親を思い、宮乃下静香を恐れ、誰かに助けて欲しいと願います。殺人を犯す少女は<怪物>ではなくどうしようもなく無力、言い訳で自分をごまかすことができるほど成長もしていない、哀しい存在です。
最後の一文はそんな少女の痛切な願いが込められた言葉なのだと思います。
|