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『亡国のイージス』に涙して以来、熱くこみ上げてくるような感動を得られていません。コテコテでも良いので、とにかくボロボロ泣けてしまう本を教えてください。
 
ペンネーム:みいさん
私、記憶力が悪いので、本来ならこういう相談員に向いていないのだが、泣いた本なら覚えている(本当か)。その一は、高橋三千綱「カムバック」(新潮文庫)。これは野球小説集ですが、もう涙ぼろぼろの短編集。あまり評判にならなかったようですが(それとも私の見落としか)、けがや年齢などで現場から遠ざかっていた野球選手がそのものずばり「カムバック」する話で、へん、こんなミエミエの話じゃ泣かないぜって身構えているのに、涙があふれてくるのである。もっと他にもたくさんありそうだけど、とりあえずこの本をおすすめします。近々、複数回答者も答えられるようになると思われるので、そのときには「泣ける本の専門家」茶木則雄が熱いメッセージを書き込んでくれるでしょう。
  回答者:北上 次郎


本を読んで、泣いたり怖い思いをしたことはあるのですが、おもわずガハハハと笑ってしまうような本があれば教えて下さい。(椎名さんや東海林さだおさんの本は好きでよく読むので、それ以外でお願いします。)
  ペンネーム:sumomoさん
果たしてお好みにあうかどうか自信がないのですが、ただ20数年前にはじめて読んでから、“何か笑える本ない?”と聞かれたとき、必ず推薦している本ならあります。丸谷才一さんが翻訳したジェローム・クラプカ・ジェロームの『ボートの三人男』(中公文庫)です。これはけっこう笑える本です。少なくとも、20数年前から勧めていて、面白くなかったという人は1人もいません。“あれは笑えたね”とみんな答えてくれます。たぶんいまの時代でも笑えると思います。雑誌のユーモア小説を特集するとき、かならずあげられる1冊でもあります。
  回答者:池上 冬樹


山岳小説が読みたいのです。新田次郎さんの「孤高の人」、夢枕さんの「神々の山嶺」を読みました。ノンフィクションでも、とにかく山岳小説と言えばこれだ!!と言われるのを教えてください。
  ペンネーム:ぶんかんさん
20年ほど前、加藤薫が「雪煙」「ひとつの山」など、いい山岳青春小説を書いていましたが、当然ながら絶版で、古本屋でも探しにくいでしょう。この加藤薫は第8回のオール読物推理小説新人賞を受賞した作家で、その受賞作「アルプスに死す」は、のちに「死の懸垂下降」(徳間ノベルス)に収録されています。こちらの新書版は古本屋で見つかるかも。これは傑作です。トレヴェニアン「アイガーサンクション」(河出文庫)と、ボブ・ラングレー「北壁の死闘」(創元文庫)はもちろん絶対のおすすめですが。
  回答者:北上 次郎


リプレイの主人公のように、過去に戻って競馬で大儲けすることを夢想している中年おやじです。ワクワクしつつもほろ苦いタイムマシン(時間旅行)ものを何冊か教えて下さい。
  ペンネーム:玉じいさん
日本作家なら、断然、広瀬正がお勧めです。おたずねの条件にぴったりの大傑作『マイナス・ゼロ』、女流歌手が三十七年前の自分を回想したことから、二つの歴史が意外な形で分岐していく『エロス』、いずれも集英社文庫で手に入ります。海外ものは大森さんの回答を待った方がいいと思いますが、とりあえずハインライン『夏への扉』(ハヤカワ文庫)とジャック・フィニイ『ふりだしに戻る』(角川文庫)はとても面白く、おたずねの条件に合致するかと思われます。
  回答者:日下 三蔵


恋愛小説で、まずハッピーエンド。暗すぎず、明るすぎず、現実にありそうな話。主人公が、29歳前後の女性。山田詠美の、「AtoZ」や、山本文緒の「眠れるラプンツェル」が、今気に入っています。
  ペンネーム:なるさん
野沢尚『恋愛時代』(幻冬舎)はどうでしょうか?これ、何と、元夫婦の恋愛を描いた、ちょっと変わった恋愛小説なんです。結婚一年ちょっとで離婚した、元夫婦、はると理一郎。二人が、本当の愛に気付くまでをユーモラスかつほのぼのと描いています。はるは26歳、理一郎は34歳という設定です。私は理一郎を、勝手に明石家さんまを当て込んで読んだんですが、これが結構いけました^^。
  回答者:吉田 伸子


犬本を紹介して下さい。ただし、犬が辛い思いをするものは耐えられません! 「ウォッチャーズ」、ヘリオット物は好きです。それに「本の雑誌」で犬本特集して下さい。この前の特集からすごく待ってるんです。
  ペンネーム:雪さん
中野孝次『ハラスのいた日々』もオススメですが、私のイチ押しは、やっぱり、いせひでこ『グレイがまってるから』(理論社)です。シベリアン・ハスキーのグレイが何といってもいい!ちょっとおバカだったりするところも、またいい!シリーズで、何冊か出ていますので、ぜひ一度、書店でみてみてください。
  回答者:吉田 伸子


吉田伸子相談員、ご回答ありがとうございました。でも、ご紹介いただいた本2冊、ついでに「気分はおすわりの日」「グレイのしっぽ」も既に私の愛読宝本です。どうか、別の犬本を紹介して下さい。
  ペンネーム:雪さん
うーん、別の犬本……。「犬本」の範疇とはちと違うかもしれませんが(つまり、犬が主役ではないので)、アンドリュー.ヴァクスのバークシリーズには、パンジィという、ナポリタン・マスチフが出て来ます。バークが飼っている犬なのですが、ペットとうよりは、相棒、あいぼうというよりは用心棒的なやつ(筋肉と骨とで140ポンドはありそうな、しかも、砲弾ほどの頭をもつ)です。物語では、あくまで脇役ですが、要所要所で、けっこういい味を出してます。もし良かったら、読んでみてください。
  回答者:吉田 伸子
西村寿行「風は悽愴」という犬小説の傑作がありますが、以前出ていた光文社文庫の目録から消えているので、いまは絶版のようです。あんな傑作がと思うと残念です。古本屋で見かけたらぜひどうぞ。
  回答者:北上 次郎


大人の女性同士の友情を描いた作品があったら教えてください。
  ペンネーム:コパンさん
エリザベス・バーグ『永い眠りにつく前に』(島田絵海訳/ベネッセ)を、読んでみて下さい。これは、タイトルからもわかるように、乳癌で死の床にある女友達をめぐる、大人の女四人の友情物語です。自分の家庭を犠牲にしてまでも、友に尽くすこの物語の語り手であるアン、レズビアンのLD、キャリアウーマンでフェミニストのサラ、そして死の床にあるルース。暗いテーマにもかかわらず、作者の視線は、あくまでも未来へと向いていて、切なさの中に、希望の灯が見える、そんな小説です。エリザベス・バーグには、他にも少女小説の傑作『ケイティの夏』もありますので、そちらも読んでみてください。絶版になってないことを願いつつ。
  回答者:吉田 伸子
平山寿三郎「明治おんな橋」(講談社)は、タイトル通りに明治を舞台にしているので現代小説ではありませんが、女同士の友情の風景を描いた傑作小説です。明治版・女たちのジハードなのです。
  回答者:北上 次郎
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