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WEB本の雑誌>読書相談室-[ 回答一覧 ]-[ これまでに多かった質問 ]-[ 相談員のご紹介 ]
 

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この春から社会人になったものですが、仕事がつらく、ストレスがたまっています。「明日からも頑張って働こう!」という気分にさせてくれる本を紹介してください。お願いします。
 
ペンネーム:ゴ−ストライターさん
ディック・フランシス「大穴」(ハヤカワ文庫)はどうでしょう。ラストのくだりがヒント。ネタばらしになるので詳細は書けませんが、つまり問題はいつも自分なのです。状況でもなければ、誰か第三者でもなく、すべての基は自分の中にこそあるのです。その弱い自己を克服しなければ前に進むことは出来ない、ということをあの水面下の物語は語っているような気がします。単純にスカッとする小説を読むのもいいでしょうが、根本的なところからむくむくと力が沸いてくる小説のほうが、「頑張れる」ような気がするのですが。
  回答者:北上 次郎


今、恋愛中ですが、とりまく状況が苦しく、へこみ気味。そんな気分を吹き飛ばすような、または思いっきりハマっちゃうような、そんな恋愛小説を探しています。
  ペンネーム:さちさん
文面からだけだと、具体的にどうくるしくて、へこんでるのかは分からないのだけど、そういう時に、どよよぉーんとしたタイプのものは、あんまりお勧めしたくないので、そんな気分を吹き飛ばすタイプのものを。ズバリ、ジュード.デヴロー『時のかなたの恋人』です。新潮文庫から出ています。多分、まだ絶版になってはいないと思うのですが。これは、ひとことで言えば、タイムスリップ.ロマンス小説です。愛さえあれば、時間さえも超えちゃう!(400年も!!)という、お話です。へこみ気味の恋にも、よっしゃぁ! と立ち向かえる元気が出てくるのでは、と思います。それと、これは本のことではないのですが、さちさんへ。恋をしてる時というのは、それだけで素晴しい時間を過ごしてるのだ(例え、それが辛かったり苦しかったりしたとしても、ね)、とヨシダは思います。すごく素敵な時間の中に、自分は今いるんだ、ってことを忘れないでね。がんばれーっ!
  回答者:吉田 伸子


今度エジプトに旅行にいくことになったのですが、そのときに読む本をどうしようか迷っています。軽くて長いものがいいのですが、良いものがあったら教えて下さい。
  ペンネーム:まっきーさん
まっきーさま。 私は海外旅行を一度もしたことがないので、エジプトまでどのくらい飛行機に乗っているのか、さっぱり分かりません(^^ゞ もし、往復で20時間近く乗っているようなら、チャールズ・パリサー『五輪の薔薇』はいかがでしょう。 これは18世紀の英国を舞台にした波瀾万丈、一気呵成、卷措くあたわず――の超面白本です。エジプトとは何の関係もありませんが、上下ニ段組で合計1200ページ以上ありますから、行き帰りの飛行機の中でたっぷり楽しめます。二冊ですから、さほどかさばりませんし。 ちなみに私は、これを読み終わるのに18時間以上かかりました。読書の醍醐味を満喫した、まさに至福の時間でしたよ。
  回答者:茶木 則雄


体調不良のため今月末で退職する20代の女です。通勤電車の中で読む、時間を忘れさせてくれるような海外ミステリを教えてください。あまり重くない本だとうれしいです(重量的に)
  ペンネーム:モエさん
時間を忘れさせてくれる面白海外ミステリはたくさんありますが、ジョージ・R・R・マーティン「フィーヴァードリーム」(創元ノベルズ)をここではおすすめしておきます。吸血鬼と人間の間に友情は成立するかという太いテーマ(?)を、物語性豊かに描く傑作長編で(すごくいいんです)、つい最近「創元文庫ベスト1」として推薦し、再刊されたばかりですので入手しやすいと思います。ノベルズといっても文庫版ですから電車内でも読みやすいでしょう。
  回答者:北上 次郎


月に数冊しか本を読まない私。こんな私に「これを読むべし!」という究極の1冊を教えてください♪ジャンルは歴史小説以外ならなんでも読みます★
  ペンネーム:kaoLiさん
あなたがどういう人生を歩まれてきた人なのか、幸福な人なのか、不幸な人なのかで、選ぶ本は異なるかと思いますが、そうですね、無難な(というと語弊がありますが)ところでは、ロバート・R・マキャモンの『少年時代』(文春文庫)かな。この本に関しては、「本の雑誌」編集部と周辺のライターの間でも大評判なので、“外れ”ではないと思うのですが・・。少なくとも、この小説がつまらなかったら、僕の書評は一生涯読まなくてもいいです(笑)。たぶんあなたとは住んでいる惑星が違うのかもしれません・・・と言いたくなるほど、愛着のある本です。僕にとって。ある書店員さんが、『少年時代』だけを売っている本屋があってもいい! と宣言した話を「本の雑誌」で読みましたが、僕は深く同感しました。気にいって、喜んで読んでくださると、とても嬉しいのですが・・。
  回答者:池上 冬樹


最近、浮いた噂もなく、仕事もスタッフの人間関係がよくなく、イライラがつのる毎日で仕事に対しても私生活にもやる気が出ない今日、この頃。そんな毎日を打破する1冊を教えてください。
  ペンネーム:すずきさん
トマス・ブロックの「超音速漂流」(文春文庫)はどうでしょうか。大型旅客機にミサイルが命中するところから幕の開くこの長編は、たまたまトイレや調理室など密閉空間にいた者だけが助かって、しかしみんな操縦の出来ない素人ばかりで、さあどうやって生還するかという話です。もうぼんやりしている暇はないのです。必死に頭を使って、何かをしなければ地上に降りてこれないのです。その想像を絶する困難を克服する人間の強い意思を、巧みなストーリーで描いた傑作で、ぜひともおすすめします。
  回答者:北上 次郎


JRのなかでさささっと読める短編ミステリーを探しています。国内外問いませんのでよろしくお願いします。
  ペンネーム:綾希さん
やはりなんといっても阿刀田高でしょう。初期の傑作群『冷蔵庫より愛をこめて』『過去を運ぶ足』『ナポレオン狂』(すべて講談社文庫)は文句なしの秀作ぞろい。見事なものです。あと、ミステリではないけれど、川端康成の『掌の小説』(新潮文庫)はシュールな味わいがあっていいですよ。収録されている「心中」は星新一が大絶賛した傑作。あの異常なまでの緊迫感あふれるストーリーは、まず他の作家には書けないのではないかと思います。ミステリ的な味わいは少ないですが、手にとる価値は充分にあります。
  回答者:池上 冬樹


最近、自分に自信が持てなく、ネガティブな性格になりつつあるような気がします。なにか、自分を開放できるような本はないでしょうか?単に、甘ったれを治したいだけかもしれませんが・・。
  ペンネーム:ぼんさん
メールアドレスから女性の方だと推察してお話します。私もここ数年、自分に自身が持てなくて、結構つらい日々を暮らしました。「東電OL殺人事件」(新潮社)はある意味、何をしたって人間いいじゃん!という開き直りを持つことが出来ました。もちろん、年齢にも関係するとは思いますが・・・。小説では、どこかの質問で吉田伸子さんが仰っていましたが中井じゅん「どってことあらへん」(角川春樹事務所)はハチャメチャながら、女の子の元気を刺激してくれます。
  回答者:東 えりか


最近失恋しました。しかし、生きる気力は失わないでいようと毎日大地を踏みしめています。「朗読者」をよみましたが、粘性の文体に速度が落ちました。もっとさらっと過去を忘れられる本はないでしょうか?
  ペンネーム:うさぎちゃんさん
失恋、は辛いよね。ほんと、生きることにもぼんやりしちゃうくらい、しんどくなります。でも、一つの恋が終わって、それが痛くも痒くもない、なんてほうがおかしいんであって、辛くて当たり前。逆に、辛ければ辛いほど、それほどまでに一所懸命に人を好きになれた自分を、自分で誉めてあげて欲しいなぁ、とヨシダは思います。自分ではなかなか誉めづらいでしょうから、ここで、ヨシダが誉めます。うさぎちゃん、偉いっ!!さて、そんな時は活字もいいけど、写真集というのも、よく効きますよ。ヨシダのお勧めは、岩合光昭さんの「氷のゆりかご」(小学館)です。表紙カバーの写真だけでも、思わず知らず、微笑んでしまうような写真です。タテゴトアザラシの誕生から、自立までの3週間を追いかけたこの写真集、きっとうさぎちゃんの心にも、よく効くと思います。
  回答者:吉田 伸子


10月中旬にパリにいきます。飛行中に読む、せつなくなるような、ドキドキ恋愛小説をご推薦くださいませ。(宮本輝、高樹のぶ子、川上弘美以外のかたで。)
  ペンネーム:美保子さん
パリですか。いいなぁ。吉田もパリに暮らす友人を訪ねて、一度行ったことがありますが、うー、また行きたいっ!さて、せつなくなるような恋愛小説、とのことですが、絵國香織さんの本はいかがですか?中でも、『落下する夕方』(角川書店)は、切なさ度が高い、と思います。荷物に余裕があって、ハードカバーでもOKというのであれば、『冷静と情熱のあいだ』(角川書店)はいかがでしょうか?絵國香織と辻仁成が、同じタイトルで一冊づつ書いています。つまり、かつてのカップルの女の方の視点で絵國香織が物語を綴り、男の方の視点で辻仁成が物語を綴っているわけです。同じ一つの恋愛を共有したカップルなのに、男と女とでは、こんなふうにその恋愛に対するスタンスが違うのだなぁ、とよく分かります。それぞれ単独で読んでも面白いのだけど、2冊とも読むとさらに味わい深くなります。
  回答者:吉田 伸子


おもしろいもの、気が晴れるもの、欲してます!暗いもの、おせっかいな癒しものは苦手です。筋がしっかりしていたり、さばけた毒舌だったり、読後スカッとできるもの、ありませんか?
  ペンネーム:chaiさん
小説ではないのですが、P.J.オローク『楽しい地獄旅行』(芝山幹郎訳/文藝春秋)を読んでみてはいかがですか?世界紛争地帯過激レポートとサブタイトルのついた、一風変わった旅行記です。「レバノンうろちょろ紀行」「パナマうんざり運河」等々、各章のタイトルを見て、心惹かれた私は、すぐに買いました。9年前に出た本なので、それから文庫になってるかどうか、絶版になったのかどうか、もちょっとわからないのですが、良ければ、探してみて下さい。私はこの本の中の「最新版.赤毛布外遊記」を読むたびに、ひっひっひ、と笑ってしまいます。「クウェートの免税店はすごい。そこに行くまで私は、世の中に自分の欲しくないものがこれほどあるということを知らなかった」この一文なぞ、特にヨシダのお気に入りです^^。
  回答者:吉田 伸子


はじめまして。早速ですが、思いっきり裏切られて男の人に振られちゃいました。。失恋したときに読むと元気に慣れる本教えてください。お願いします。思いっきり泣いてから、読もうと思います。
  ペンネーム:はふはふさん
これはもう、キャサリン・ハーヴェイ『バタフライ』(小沢瑞穂訳・角川文庫上下巻)しかないでしょう!最愛の男に利用され裏切られたレイチェルの、愛と野望の復讐譚で、じわじわと男に復讐していく過程が何ともスリリングです。ロマンス小説としても傑作ですので、読んでみて下さい。ちょっと古い本なので、絶版になっているかもしれませんが、古本屋をまわってでも、読んでみる価値はありますよ。
  回答者:吉田 伸子


南の島に10日間行きます、夫とはそんなに話す事もなく今までの旅行では文庫本を8冊くらい持って行っても結局読むものがなくなり困りました。全部で1キロくらいで10日間もつ本のリストを是非教えてください。
  ペンネーム:くろすけさん
私は僻地ダイバーで、南の島を渡り歩きます。(最近はしてないけど)2週間行くと、大抵本がなくなり苦しくなります。今まで持って行った本で大正解だったのは日本の剣豪物。柴錬やら五味やら、隆慶一郎、北方謙三などとにかく分厚ければ分厚いほどよし。「ジェラシック・パーク」はあまりに現実的すぎて気味が悪かった。私の友人は藤田宜永「鋼鉄の騎士」を読んでましたね。翻訳本は日頃あまり読まないので、友人の書評のひとたちにここ一年で1番面白かったのを上げてもらって持っていきます。外れることは少ないです。
  回答者:東 えりか



ここの所、義務的に堅苦しい本ばかり読んでいて、脳みそパンク状態です。骨休めになる、軽めの痛快面白本を紹介して下さい。お願いします。 
  ペンネーム:関二郎さん
ドン・ペンドルトン「マフィアへの挑戦」(創元推理文庫・全20巻)という痛快面白本があったのですが、最近の目録に記載がないので品切れなんでしょうね。でも古本屋ではよく見かけますので、もし興味をもたれましたら探してみてください。ようするに、ベトナム帰りのヒーローが復讐のためにマフィアに挑戦するというアクション小説です。
  回答者:北上 次郎


仕事帰りの疲れた頭でも簡単に読める本をお願いします。できれば、持ち歩きやすい文庫が良いです。
  ペンネーム:すずまきさん
それならば、ジェイムズ・ヘリオット『Dr.ヘリオットのおかしな体験』(池澤夏樹訳/集英社文庫)はいかがでしょうか。獣医のDr.ヘリオットの体験する、動物達とのエピソードを綴った本で、ほのぼのとしたユーモアに思わずくすっと笑いつつ、心がほかほかしてくるような、そんな一冊です。結構古いものなので(初版は昭和56年、私の手許にあるのは、4刷の昭和58年のものです)、絶版になってるかもしれませんが、なってないことを願いつつ。
  回答者:吉田 伸子


今、とっても恋愛したい気分です!!好きな人さえいないのですが、どっぷり恋愛にはまってしまうような小説はありませんか?遅れましたが、私は20歳です。回答、よろしくお願いします。
  ペンネーム:みーさん
それならば、シリル・R・ローリイの『オハイオーニューヨーク物語』(佐々田雅子訳/早川書房)はいかがでしょうか?オハイオの田舎から、ひと冬だけの夢を見るためにニューヨークへやって来た22歳のフランキーと、「ニューヨーク・タイムズ」の記者であるマキーヴァーの恋を描いた、ロマンチックな恋愛小説です。この本は、当時早川書房から出されていた「Novels for Her」というシリーズの一冊で、このシリーズ自体とても良いシリーズでした。今でもあるかは、ごめんなさい、ちょっとわかりません。この『オハイオーニューヨーク物語」も、多分品切れか絶版じゃないか、と思うのですが、古本屋さんを探してでも、読む価値は十分ありますよ。
  回答者:吉田 伸子


来年度から社会人になる大学4年生です。そんな新社会人になる若者たちへむけて、実のなる本を紹介してください。営業職向けの実用書でも、社会の厳しさがわかる小説でもかまいません。
  ペンネーム:ぶんかんさん
山口瞳の「新入社員諸君」という名著があります。社会人としての心得を書いた本で、本当に役立つ「実用書」というのはこういう本をさすのでしょう。角川文庫で現在もインプリントのはずです。
  回答者:北上 次郎


結婚を考えていた人と別れて、「傷つきたくない」という思いが強くなってしまいました。そんな自分が、前向きになれるような、傷ついても明日があるさ、と思えるような本を紹介して下さい。
  ペンネーム:おきぱんだ(♂)さん
アーヴィング『ホテル・ニューハンプシャー』(新潮文庫)を読んでみて下さい。一つの家族に、えっ、こんなことまで起こるのか!?というくらい、悲劇、喜劇がてんこもりになっているのですが、何よりもいいのは、人生に対して、前向きであることなのです。翻訳は上下巻ですが、いっそのこと原書で読んでみてはどうですか?アーヴィングの文章はわりと読みやすいので、もしよかったら試してみて下さい。そのほうが、微妙なニュアンスが分かると思います。特に、「Its hard work and great art to make life not so seariousu」(スペルあってるかなぁ……)という一文は、私の大好きな一文です。傷つきたくない気持、分かります。傷の痛みの真っ最中に、こんなことを言ってもなんの足しにもならないかもしれないけれど、その傷を、誇りに思える日がきっとくるから。辛い別れをした自分を含めて、全部肯定できる日がきっとくるから。大丈夫、今は辛くても、大丈夫!アーヴィングのこの本が、良く効きますように。
  回答者:吉田 伸子


最近、通勤電車で読書をするようになりました。が、その電車の中ではとても読めない!と言うくらい、泣ける本を教えてください。ジャンルは何でもいいです。お願いします。
  ペンネーム:なおなおさん
私が今までの人生の中で一番泣いた本は、写真集なんです。増山たづ子「ありがとう徳山村」(影書房)はダム建設のため沈んでしまうふるさとの四季と人々を、たづ子おばあさんがインスタント・カメラで撮影しまくるのです。その写真に彼女がつけたコメントがもう泣けて泣けて・・・。あんまり泣いたので後で気分がスッキリしてしまった、という非常に珍しい本です。あっ、でも電車の中じゃ写真集は無理か。私が持っているのは87年に出た初版ですが、97年に「徳山村全記録」(影書房・3500円)として再発売されています。
  回答者:東 えりか


来たる20日は私の誕生日。女29歳独身…仕事に追われるながらも自分なりの勉強を始めたり、ずいぶん頑張りました。そんな自分に大好きな本のプレゼントをしたいのです。ジャンル問わず、お勧め本ありませんか?
  ペンネーム:pingaさん
一日遅れになりましたが、お誕生日、おめでとう!さて自分にプレゼントする本、ということですが、うーん、何がいいのかなぁ。個人的には、写真集や、画集が嬉しいのですが、好みがあるからなぁ、難しいところですね。だったら 、アーヴィングの小説はいかがでしょうか。新潮社から、アーヴィング.コレクションと言うシリーズ がでていますので、それを全部そろえるというのは どうでしょう。内容は保証します! 
  回答者:吉田 伸子


最近仕事に忙殺され、さらに色恋沙汰も空回りで心身共にかなりやられています。一人の夜にコタツでお茶でも飲みながらほんわかできる本ないでしょうか。心地よく寝つけるような。できれば文庫でお願いします。
  ペンネーム:ぱんださん
ぱんだ様、お疲れ様です。心身ともに、心地よくなるような、そんな本がいいのかな、と思うのですが、それならば、幸田文の随筆集『月の塵』(講談社)などはいかがでしょうか。幸田文は、言わずとしれた、かの幸田露伴の娘で、幼い時に母を亡くし、父・露伴に家事や、立ち居振る舞いについての厳しいしつけを受けて育ちます。その文が、日常の暮らし、日々触れる自然について書いた随筆集が『月の塵』です。美しい日本語で書かれた折々のことがらを読んでいると、不思議に心がふーっとひと息つくような、そんな感じになります。単行本なので、できれば文庫本、というリクエストにはかなっていませんが(とはいえ、私の手許にあるのは、6年前に出た初版のものなので、ひょっとしたら、その後文庫になっいるかもしれません。そうだったらいいなぁ)、良かったら、まず一度手にとってみてください。幸田文には、市井に暮らす夫婦の哀歓を描いた名作『台所のおと』(講談社文庫)もあり、こちらもお勧めです。
  回答者:吉田 伸子


私事なんですが、本日11/25日は自分の誕生日です。そこで、これからも頑張っていけるようような活力を分け与えてくれる本を紹介していただきたいのですが。お願いします。
  ペンネーム:もっちーさん
お誕生日おめでとうございます!もっちーさんの21世紀が幸せでありますように…。さて、男性か女性かわからないので、見当違いかもしれませんが。池上永一「パガージマヌパナス わが島のはなし」(文春文庫)沖縄の普通の女の子が、巫女になる運命とどう闘い、折り合いをつけるか、新しい自分を見つける、っていうテーマではいいかもしれない。読後感はさわやかです。蛇足ですが、池上さんが今年出された「レキオス」(文藝春秋)にはぶっとびました。詳しく知りたい方は、大森相談員まで(ごめんなさい、わたしにはうまく説明できない)
  回答者:東 えりか


仕事がたまり、追い詰められているため、帰宅しても気分を切り替えることができません。気分をリラックスさせるエッセイまたは小説はありませんか。(24歳・女) 
  ペンネーム:なつこブーさん
お師さんも走る、という師走、12月。風は冷たいわ、仕事はどんどこどんどこ増えるわ、で、ひいぃぃー、っと音をあげたくなる気持ち、分かります、分かります。でもね、終わらない仕事はない! これ、本当に本当。大丈夫、後から、いやぁ、あん時はマジ参ったなー、って笑える日が必ず来ます!で、そういう時の読書ですが、癒し系もいいとは思いますが、いっそのこと、どどーんした大河小説を毎晩ちびちびっと読みすすめる、というのはどうでしょうか?というわけで、浅田次郎『蒼窮の昂』(上下巻・講談社)、もしくは、こちらはノンフィクションではありますが、ユン・チアン『ワイルド・スワン』(上下巻・講談社)。奇しくも、どちらも中国ものですが、読みでと面白さと読後の感動は保証します。2冊とも、内容があまりにもドラマチックかつダイナミックなので、読んでいるうちに、現実のことなんてちっちゃいちっちゃい! 仕事がたまったくらい、なんぼのもんじゃい! という気になりますよ。
  回答者:吉田 伸子


今月末にアメリカに行く予定で、機内での時間をゆっくり読書と考えております。普段はノンフィクションものを読んでいますが、できましたら目黒さんの笹塚日記のような内容があったらお願いします。
  ペンネーム:ラップさん
周防正行『「Shall we ダンス?」アメリカに行く』(太田出版)なんかいいですよ。映画をもし見てなくても大丈夫。日本映画がアメリカでどんな風に扱われ、いちやく兆児になった監督の周防さんが、いかにおたおたするのか。日米のお国柄をたっぷり織り込んで、笑わせながら考えさせられる一冊です。
  回答者:東 えりか


二十歳の学生です。往復4時間かけて学校に通ってます。電車の中でアドレナリンがぐっと吹き出すスパイ小説を教えて下さい。前に読んだ中ではフォーサイスが好きでした。既刊の多い作家の本がいいです。
  ペンネーム:町田哉さん
スパイ小説には名作傑作が多いので、何をすすめたらいいものやら迷うところですが、私のいちばん好きな作家はクレイグ・トーマス。傑作「狼殺し」(河出文庫?)と、「闇の奥へ」(扶桑社ミステリー)が特にダントツのおすすめ。ただし、結構当たり外れのある作家なので、すべての作品がいいわけではなく要注意。この二作は大丈夫ですが。これが面白かったら、またメールをください。このジャンルのおすすめ本はもっとたくさんあります。
  回答者:北上 次郎


28にもなっていまだ恋愛ベタで困っています。知らず知らず相手にのめりこみすぎていたり、反対に「冷たい」などと言われたり。どないせえ言うんじゃ!という私に道しるべなる本を教えて下さい。
 
ペンネーム:トモさん
トモさん、初めまして。
いいんですよ、恋愛ベタでも。そりゃ、下手より上手がいいのかもしれないけれど、一番大事なのは、トモさんがトモさんらしくあることなんです。そうすりゃ、恋愛なんか、後からついてきますって。
で、本ですが、いっそ究極の恋愛ベタ!? を描いた山本文緒『恋愛中毒』(ごめんなさい、出版者ド忘れ)を読んでみてはいかがでしょうか。反面教師という意味で。あと、人を好きになることの、本質的な意味に気付かせてくれる、山田詠美『トラッシュ』(文春文庫)なんかはいかがでしょうか?
  回答者:吉田 伸子


お邪魔します。これといった人生の行方を見つけられてない自分への不安がたちこめてます。若者が幅を利かせている昨今、40才からでも何かになれるのだぞ!てな本がありましたら教えて下さい。宜しくお願いします。
  ペンネーム:フニャさん
私、最近そんな本ばかり探しているような気がします。白崎修一『中年ドクター 宇宙飛行士受験奮戦記』(学研)はそんな気分にぴったり。受験資格ギリギリの39歳のお医者さんが、宇宙飛行士のお受験をして、最終選考まで残った!という本。元気になりますよ。
  回答者:東 えりか


01月16日従姉妹(35才・会社勤め兼主婦)が今月から乳ガンで入院します。病気を忘れる位、楽しい本、感動出来る本を教えて頂けませんか。何冊かチョイスして頂ければ有り難いのですが。宜しくお願い致します。
  ペンネーム:オレンジ・ペコさん
入院している人に“病気を忘れる位、楽しい本、感動出来る本”を薦めるのは良いことです。辛いだろうから、少しでも楽しい時間を作ってあげたい、辛い気分を忘れさせてあげたいという気持ち、よくわかります。
しかし、読んでいる最中、読み終わったあとに、入院している人が何を考えているか、あるいは何を考えてしまうかも考慮すべきことなのではないでしょうか?僕はかるい病気で2回入院したことがあります。4週間と3週間、それぞれ病院のベッドで過ごしました。そのときに思うことは、いったい何故おれはこんな病気になったのか? ということです。何も悪いことはしていないのに、何でおれだけがこんな辛い思いをしなくてはいけないのか、という思いにかられるものです。本好きですから、何冊ももっていきます。時間を忘れる本を選びました。でも、思いは、そこにいくのです。何故なんだ? 何故おれはここにいるのか?
たぶんオレンジ・ペコさんの従姉妹もそういう思いにかられていると思います。どういう性格の人なのかわからないので、ちょっと迷うところではあるのですが、遠藤周作の『万華鏡』(朝日文庫)をお薦めします。特に「ある闘病気」というエッセイは参考になるのではないでしょうか。乳ガンにかかったユング学者の話です。“病気”を過去の因果関係で捉えるのではなく、未来にむかって問いかけるものとして捉えるべきなのではないか、というものです。
病には“創造的病”とよべるものがあるのではないか、と。“自分は何に向
かって病気になったのか?”という問いかけです。病気の度合いもあるから、慎重を要しますが、どうかオレンジ・ペコさん、書店で立ち読みし、従姉妹さんの性格を考えて、お選びください。
  回答者:池上 冬樹


育児に追われる毎日です。ついイライラしがち。そんな私にアドバイス的本を探しています。こんな時はこうしたらなんて実践的なのをおしえてください。
  ペンネーム:ふみさん
ふみさん、お疲れさまです。育児に追われ、ついイライラ。わかります、わかります。私も、新生児〜二ヶ月くらいまでは、「あたしゃオッパイマシーンかい、とほほ、ほ乳類って空しいぜ」という日々だったなぁ。特に、その頃は、2時間おきの授乳で、スーパー寝不足だったし。
で、本ですが、何と言ってもお勧めは松田道雄『最新 育児の百科』(岩波書店)です。この本が何故いいのか、というと、「読むと安心するから」、ズバリこの一言に尽きます。やれ、子供が熱を出した、泣き止まない、寝てくれない、等々の育児の日々の、いろんな細かい悩みに、「そんなのなぁんてこたぁないよー。大丈夫さー」と答えてくれる本なのです。1歳まで月齢で区切って(その後は、1歳半、2歳、3歳、と続いて就学までフォローしてます)、「三ヶ月〜四ヶ月の赤ちゃん」というふうに、丁寧に書かれているのも嬉しいです。ちょっと高価なものですが、これ一冊あると、本当に役に立ちます。
あと、もう一冊は、毛利子来『赤ちゃんのいる暮らし』(筑摩書房)です。
毛利先生も、松田先生と同様、小児科医でなおかつ「安心させ型」の先生なので、読んでいてほっとします。どちらも、育児に追われる母親の大変さを、臨床上十二分に理解してくれている、という点が素晴しいです。
実践的なもの、というと、この2冊かなぁ。この2冊には私もずいぶんお世話になりました。他にも、「良いおっぱい 悪いおっぱい」を初めとした、伊藤比呂美の育児エッセイシリーズは秀逸ですが、こちらは、育児の実践、とうよりは、育児に疲れたハハ心に効くだと思います。上の2冊と合わせて読むといいかもしれないです。
最後に、ヨシダからの一言。
イライラしていいんですよ。育児なんて、ほんと、「忍耐養成講座」みたいなもんです。イライラするふみさんは正しい! おっぱいも飲んで、おむつも変えて、あやしたり、だっこしたり、話しかけたり、歌いかけたり、物語ってみたり、と、さんざん手を尽くしても、寝ない、泣き止まない時なんか、我が子ながら、「えぇい、もう勝手にしてくれー!」と思ってしまうことだってありますよ。でも、ようやく、ようやく寝付いてくれた時の、その寝顔を見ると、可愛さ爆発! なんですよね。 寒い日が続いてますので、風邪などひかぬよう!子育てはほんと、体力勝負ですよー!
  回答者:吉田 伸子


23歳・女です。何年も悶々とした日々が続いています。21世紀こそ、どどーんと恋にオチタいものだなあと思うのですが、読んだらフェロモンがムンムンになるような本、ありませんかねぇ?
  ペンネーム:アコさん
斎藤綾子『愛より速く』はご存知でしょうか?もう20年くらい前に発売された小説ですが、その当時、私は頭をぶん殴られるほどのショックを受けました。今読むと、その過激さは未来を先取りしてたんだ、と分かりますが…。版元は次々変わって、今はなんと「新潮文庫」に入っています。ただし、ムンムンとなるか、モンモンとするか、保証の限りではありません。
  回答者:東 えりか


吉田伸子様ビリーレッツ、心がよしよしされました。今のとこアル中ないです。感謝。今度は女30前、結婚あせってる友達が平静取り戻す本ないですか?
  ペンネーム:アケミさん
あけましておめでとうございます!アケミさんにとって、素敵な一年でありますように!さて、ヨシダ相談員は本日がお仕事始めです。今年もよろしくです。
以前、別の質問にも答えた本ですが、ジョーン・ブレイディ『神様はハーレーに乗って』(深町眞理子訳/角川書店)です。多分、文庫になっているんじゃないかな、と思います。この本、私の大好きな本なのですが、全ての女性(独身女性には特に!)に、元気を与えてくれる本です。主人公は30過ぎだけど、恋人がいないわ仕事には詰まってるわ、で、ついついため息ばかりついてるような看護婦さん。その彼女の前に「自分は神だ」と名乗る男(ハーレーに乗ってるの)が現れて……、というお話なんだけど、主人公が次第次第に自分を取り戻していく様、少しづつ自分に自信を持って行く様が、すごくいいんです。ぜひ、お友達に薦めてあげてみてください。アケミさんも読んでみて。
あ、それと、アケミさん、今のところアル中ない、とのこと、よかったよかった。ヨシダは何だかすごく嬉しいよぉ! まだまだ「くぅーっ!」と思うことも、「ぐぐぅーっ!!」と奥歯を噛み締めたくなることもあるかもしれないけれど、そんな時は、『ハートブレイク・カフェ』に出てくるブーイの言葉、「世界、いつも回りつづけてます」、を思い出してね。うん、世界はいつも回りつづけてるんだよ!
  回答者:吉田 伸子


妹の離婚っていう相談がありましたが、うちは36の弟です・・・とほほ・・・あまり本を読まない彼が心を動かし、かわいい子供達の元に気持ちを戻すような温かい本、何かありませんか?
  ペンネーム:なっちさん
なっちさん、新年おめでとうございます。冬休みに入った後に来た相談だったので、解答が年明けになってしまってごめんなさい。で、本ですが、うーん、36歳の弟さんですか。子供達、ということは、お子さんが何人かいらっしゃるわけですね。お姉さんとして、何とか丸く収まって欲しいという気持ち、分かります。となると、父と子を描いた本、ですね。それならば、何をいまさら、の感もありますが、浅田次郎『鉄道員』(集英社)に収録されている「角筈にて」はどうでしょう。父をなくした子供の気持ち、それでもなお、父を慕うその気持ち、に弟さんの心が動くことを祈りつつ。
  回答者:吉田 伸子


はじめまして。25歳のOLです。口下手で悩んでいます。思っていることが伝わらなかったり、場をしらけさせてしまったりなのです。話し方が上手になるような本を教えてください。
  ペンネーム:あひるさん
はいはい、あひるさんにぜひ読んでもらいた小説があります。それは佐藤多佳子『しゃべれども、しゃべれども』(新潮文庫)です。話し上手になるハウツー本よりも、私はこの本をお勧めします。内容にはあえて触れませんが、自分に自信を持つということはどういうことなのか、よく分かると思います。ぜひ、ぜひ。
  回答者:吉田 伸子


20歳の妹が結婚10ヶ月目でもう離婚すると叫んでます。まだ生後4ヶ月の赤ちゃんもいることですし、ささいな事で別れてほしくありません。何か妹をはげましてくれるような本ってありませんか・・・?
  ペンネーム:もぐもぐさん
うーん、そうですか、そうですか。もぐもぐさんはお姉さんとして、心配してるのですね。心配だよねー。20歳という若さなら、離婚して新しい生活を始める、というのも一つの手かもしれませんが、縁あって一緒になって、赤ちゃんまでいるんだものね。身内としては、丸くおさまって欲しい、って思いますよね。
さてさて、本の件ですが、メアリー・モリス『シングル・マザー』(齋藤英治訳/文藝春秋)がいいのでは、と思います。タイトル通り、これはシングル・マザーが主人公の小説なのですが、シングル・マザーとして女が一人で生きて行くことが、精神的にも経済的にも、いかに大変か、がよく分かります。それでも、なおかつ、シングル・マザーとして生きて行く主人公の姿は、ちょっと感動的です。この本には、「母と娘」という隠しテーマもあり、二重に味わいの深い作品です。まずは、もぐもぐさんが読んでみて、良さそうだな、と思ったら、妹さんに薦めてみてください。
  回答者:吉田 伸子
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