★ 幼少の頃の本との想い出について…
子どもの頃は、絵本が好きでよく読んでました。というのも僕の母親が毎週水曜日に水曜文庫というのを開いて、近くに住む子どもたちに絵本を貸し出ししていたので、家にたくさんの絵本があったんです。どの絵本が一番好きだったかというとなかなか思い出せませんが、今でも覚えている絵本というと、『バーバパパ』(講談社)や『ぐりとぐら』(福音館書店)の絵本シリーズとかでしょうか。自由に姿を変えてどんな問題でも解決してしまうバーバパパの話も、森で大きな卵をみつけたぐりとぐらが、大きなかすてらを作るという話も、子ども心に夢があって大好きだったなあ。小学生になっても本を読むことは好きで、江戸川乱歩シリーズや、エジソン、キュリー夫人といった伝記もよく読んでましたね。中学、高校になってあまり本を読まない時期があったんですが、この仕事を初めてからまた、意識して本を読むように心がけてます。
今の人達が、どのくらい本を読んでいるか分からないけど、子どもの頃はたくさん活字に触れていろんなジャンルを知るといいんじゃないかな。漫画や映像では培えない想像力を鍛えるためには、やっぱり本だと思うんです。
★ 好きな作家について
好きな作家というと、浅田次郎さん、エッセイでは宮藤官九郎さんの本とかも大好きですね。女性が読むスタイルの本になるのかもしれませんが、森瑤子さんの本も好きです。自分の主観をしっかり文章に込めて、男はこう、女はこう、という感じで言い切る所が自分にはない価値観で面白い。中でも一番初めに読んだ『デザートはあなた』(角川文庫)という本が好きかな。料理好きな主人公が気に入った女の子のために特別な料理をふるまい、最後はお決まりの、デザートはキミ!というようなセリフで終わるという話を集めた短編集。主人公のもてなしている状況が目に浮かぶような描写で、本を読み終えるとつい本にでてきた料理やカクテルを真似してみたくなるんですよ。
★ 仕事を通して出会った本
映画『ゲーム』の出演が決まった際に読んだ東野圭吾さんの原作、『ゲームの名は誘拐』(双葉社)も仕事を通して出会った本の1冊ですね。僕はあまりミステリーは読まないんですが、東野さんの作品は読んでいて独特で面白いなあと思ったんです。そしたら東野さんも僕と同じ理系出身で、なんとなく理屈っぽいというか論理的というか…笑、それでいてトリックが大胆。そんな文体が新鮮でしたね。
東野さんにお会いした際に、東野さんが「誰もいい人が出てこない作品を描きたかった」と話されていたんですが、映画は原作よりもオリジナルで付け足している部分もあるし、キャラクターの描き方も違ったので、東野さんの原作への思いを根本から否定しまうことにならないのかなあと思っていたんです。そしたら東野さんは『小説は書き終えた時に自分の手から離れていくし、映画は映画というエンターテイメント。見にくる人たちが楽しんでもらえることが大切』とおっしゃっていて、その言葉がとても印象的でした。
最近でいうと、10月からフジテレビでオンエア中のドラマ『1リットルの涙』への出演に際して、原作(幻冬舎文庫)を読みましたね。15歳という若さにして脊髄小脳変性症という難病を患った主人公の木藤亜也さんが、日記を書くことができなくなるまで書き続けた闘病日記なんですが、前向きな亜也さんと、病を患っている娘を決して甘やかさないお母さんの姿にとても刺激を受け、この作品に是非協力したいと思いました。
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