★ 学生の時読んだ本とか、いくつか教えて頂けますか?
僕、中学生とか学生の頃は本を全然読みませんでした。19歳の時に、この世界に入ってから、勉強のために読まないといけないと思ったんです。それから、生まれて初めて本を読み出しました。それまで活字は大嫌いでだったので、最初は正直苦痛でした。19歳から本を読み始めて、25・6歳ぐらいからですかね、普通に読めるようになったのは……。でも、そうなったら勝ちですよね。今では本が大好きですよ。
★ 19歳に本を読み始めたとおっしゃいましたが、どういった本から読み始めましたか?
それこそランダムに読みました。読み始めた時は、作者も何も知らないですからね。でも、初めて手に取った本はいい本に出会いましたよ。星新一『午後の恐竜』(新潮社)です。今でもストーリーを覚えています。ある朝、恐竜が出てきて、滅亡して、猿から人間になって、今までの地球の歴史がホログラムのように見えてきます。それがすごいスピードで進んでいくんです。3日後に隕石が地球に落ちてくるような幻が見えて、実は人が死ぬ瞬間に自分の人生を走馬燈のように振り返るのと同じで、地球が死ぬ最後の瞬間に地球の歴史を振り返っていた、という話です。SFショートショートですね。全く知らずに選んだ割には、最初にいい本に巡り会えてラッキーでした。
★ それからは、どんな風に本を選びましたか?
一つ面白い作品に当たると、同じ作家さんの作品を続けて読みます。今、ダヴィンチとかは絶対チェックして、直木賞作品はすべて読んでいます。
面白そうな本の知識とか全く持っていなくて、何が何やらわからなかったから、とにかく小説から食いつきました。シドニー・シェルダンとか……。それから、落合信彦さんとかノンフィクションにいって、途中からすごくエッセイが好きになりました。中島らもさんとかですね。
そしてまたフィクションにいって、最近ではまたノンフィクションに戻って来つつあるという感じです。
最近よかったのは、石井光太『物乞う仏陀』(文藝春秋)。書店のノンフィクションコーナーで、そこだけスコーンと平積みが減っていたので、買って読みました。アジアの暗部に暮らす娼婦、マフィア、子どもの物乞い、障害者をインタビューした本で、生きるということを根本的に考えさせられました。
ノンフィクションでは、盗賊の女王と呼ばれたインド民衆の英雄の自伝プーラン・デビィ『女盗賊プーラン』(草思社)、ラクダと引き換えに結婚させられた経験をもつ遊牧民出身の国連大使の自伝『砂漠の女ディリー』(草思社)が面白かったですね。ノンフィクションの中でも自伝物が好きですね。
★ 好きな作家さんの作品をいくつか挙げていただくと、どのようなものになりますか?
桐野夏生『残虐記』(新潮社)面白かったですね。
僕ね、読んでいて無理がある話の展開って嫌いなんです。途中で「ウソだろう」って思っちゃうとだめで……。その点、この本はすごく面白かった。監禁される物語なのですが、ハラハラしながらなぜか最初から最後のページまで読めました。この作品はリアル感がすごくあり、完全にフィクションなのに、最初から最後までまるで現実かのように、頭の中に絵が浮かびました。そういうイメージっていい本になればなるほど、はっきりしますよね。その人の姿、形、顔まで浮かぶじゃないですか、この作品はまさにそれでした。
なぜかそんなにきれいじゃない、普通の容姿の女の子が頭の中に浮かんできて、新潟の監禁事件があった後だったので、余計リアルでした。面白いと二日ぐらいで読んでしまいますよね。
よくみんな『アウト』(講談社)を桐野さんの代表作として挙げられますが、僕が彼女の代表作を挙げるとしたら『残虐記』ですね。今は、『魂萌え!』(毎日新聞社)を読んでいるところです。まだ読み始めたばかりですが、小説の世界にすっと入っていけますよ。
★ その他には、どのようなものがありますか?
東野圭吾さんが一番好きですね。作品は全部読んでいると思います。『白夜行』(集英社)あたりを皆さん挙げますが、僕は何といっても『悪意』(講談社)ですね。人間ってそういうものだなと、心の深い所は何歳になっても変わらないもので、人間の醜さってこういうところだろうな、ということが、恐ろしいほど実感できます。
ただの推理ものじゃなくて、人間性を描こうとしているという作者の意図を理解しないで読んでいくと、もしかしたらつまらない作品なのかもしれないです。犯人は誰でもだいたいわかりますから。この作品の面白さは、結局動機が何かわからずに、犯人が特定できなかったことです。結末はいえませんが、殺人を犯すほどの動機はどういうものであるか、それが衝撃でした。
初期の東野さんの作品て、トリックとか推理とかが中心でしたが、ある時期からヒューマンになりませんでしたか。『秘密』(文藝春秋)とか、人間性を描くところが好きですね。
あとは、東野幸治さんのおすすめ作品で金城一紀『フライ、ダディ、フライ』(講談社)。娘もできて同じような境遇なので、最近よく話が合うのかな。普段一緒にバスに乗っている、話したことのない顔見知り達が、中年男を応援する場面では、単純に涙が出ました。
久しぶりに本を読んで泣きました。 ★
どんな方法で本を探しますか?ネット派ですか?本屋派ですか?
うーん、最近、面白い本に会わなくて、調子悪いんです。一昨年の直木賞受賞作 朱川湊人『花まんま』(文藝春秋)以来、しっくりこなくて。
ネットでもいろいろ調べますけど、本の探し方としては、まず直木賞。何人かの好きな作家の新作をチェックします。乃南アサ『暗鬼』(文藝春秋)、重松清『ビタミンF』(新潮社)、奥田英朗『空中ブランコ』(文藝春秋)とかですね。本屋はよく行くのでハードカバーはずっとチェックしますね。本屋は、特に決まった店はありませんが、入れる時間を見つけてさっと入ります。やはり平積みされててボコッと減っている本に、ついつい手が出てしまいます。
★ 読書はどんな時にどこで読むのが理想ですか?
本を読むのに一番好きなのは、ベッドの中です。ベッドに入って小さな明かりをつけて読むのが好きです。最近は、子供が結構遅くまで寝ないものですから、そうやって読む時間はかなり減りましたけどね。本を読みながら自然と眠くなって寝てしまう時が一番、幸せです。
★ 最近の活動を教えてください。
実は、今小説を書いてます。携帯電話のサイト「よしもとマガジン」
で、毎週火曜日の連載です。タイトルは「山崎邦正の本気(マジ)小説」です。携帯のサイトの「メニュー」→「芸能」→吉本興業→「よしもとマガジン」でサイトに飛びます。http://www.fandango.co.jp/yoshimaga/のQRコードを読み取っても入れます。ぜひ読んでみてください。
あと、『うさぎ・邦正の人生バラ色相談所』(大和書房)マジメに、熱く、人生について語ってます。それとあの幻のシーンを収録したDVDも出ています。『ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!!
6 山崎VSモリマン 男と女の真剣勝負』発売中ですので、皆様是非僕の芸人としての集大成を見て頂ければと思います。
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