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男が目を覚ましたのは、謎の世界レダム。銀色の空に覆われ、荒唐無稽な建物がそびえ立ち、奇天烈な服を着た<男でもなく女でもない>住人たちが闊歩している世界だった! 異空間での冒険とアメリカの平凡な家庭生活の情景を絶妙に交錯させながら、愛と性の枠組みをラディカルに問い直したスタージョン入魂の長篇作。原書刊行時(1960年)には異色かつ先鋭的であっただろうジェンダーの問題は、今現在読んでこそリアルなテーマとして読むことが出来るはず。今回対決する『輝く断片』は正味の話、本当に傑作揃い。それに比べて『ヴィーナス』は冗長な部分もあるし(途中の大演説でくじけないで!)、古びている描写もある。しかし!本作はSFで常に<愛>というテーマを独特な形で表現してきたスタージョンのいわば集大成的作品で、闇雲に熱い主張がこれでもかと詰まっています。一気に読むとクラクラする、それがいい!
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本書は、〈奇想コレクション〉という、ちょっと不思議なお話の海外文学を集めたシリーズの1冊で、このシリーズには、もう1冊のスタージョン傑作選『不思議のひと触れ』(一部では、ロマンチックSF傑作選とも呼ばれています)もあります。ちなみに、スタージョンのお嬢さん、ノエル・スタージョンさんが来日した際、本屋さんでこの『不思議のひと触れ』をみつけ、パパの本がある! と喜んでデジカメで撮影して帰ったそうです。
さてシリーズ次回配本は、あの殊能将之さんが編者となっての、アヴラム・デイヴィッドスン『どんがらがん』。ここでは本邦初、カバー装画をご紹介。描くは松尾たいこさん。10月刊行です。よく〈奇想コレクション〉は〈未来の文学〉と比べられるんですけど、思いっきりカバーの方向性が違いますね。『輝く断片』と『ヴィーナス・プラスX』も、おんなじ著者の本とは思えない……。
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